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【地盤工学のあり方-応用地質学と地盤工学の協働を考える-研究委員会】

■趣旨:
 日本列島には、沖積地盤や火山性堆積物地盤が広範囲に分布する一方、脆弱で急峻な自然斜面、急傾斜
地・崖地・地すべり地帯が数多く存在している。このため地震や豪雨に対して不安定であり、液状化・土
石流・山崩れ・岩盤崩落・崖崩れなどの土砂災害が発生しやすい箇所が極めて多い。今後、さらなる気
変動によって集中豪雨や巨大台風の頻発が懸念され、南海トラフ地震等の大規模地震の可能性もまっ
いることを考えると、地盤災害が日本社会に及ぼす影響はますます大きくなってきている。こうした状況
を受けて、2007年度会長特別委員会は、「地震と豪雨・洪水による地盤災害を防ぐために」という地盤工
学からの提言をとりまとめており、その中で地盤工学の発展とともに異なる学問・技術分野の協働の必
を提言している。
 地盤工学の発展という点では、1999年の地盤工学ハンドブックにおいて、土質工学から地盤工学へ新た
体系化が図られて以来、各種指針・マニュアルや地盤力学を使った解析手法の整備が進んだ。近年
は、ーパーコンピューターや並列計算を利用した数値解析技術、IT技術やIoT技術を活用した調査・
測技術、報化技術等の急速な発展により、複雑な地盤構造物に関する耐震設計や広域な土工の無人
工管理能になるなど様々な発展を見せている反面、専門化・高度化・精緻化の様相を深めている。
 一方、異なる学問の協働という点では、実際に地盤災害の第一線で活動している多くの地盤技術者は、
形学・地質学を含む応用地質学的観点からのアプローチと、設計を含む土木工学等を踏まえた地盤
学的観点からの2つのアプローチが不可欠であることを痛感している。
 特に地盤災害という観点では、応用力学に立脚した地盤工学の変形・破壊の議論に、地盤の多様性・不
質性、風化・侵食による経時変化、および地形の成り立ち等の応用地質学的な理解を融合させることが
本質的に重要である。
 しかし残念なことに、両者は同じ対象として地盤を取り扱っているにもかかわらず、未だにいわゆる
「地質屋」と「土質屋」といわれる2種類の技術者が棲み分けるように分担している状況が続いている。
つまり地盤災害を防ぐために求められている学問間の協働のうちでも、最も基礎となるべき応用地質
と地盤工学という2つの学問の協働が立ち遅れている。
 また技術分野の協働という点では、高度経済成長期の全国規模のインフラ事業を推進する上で、地盤技
術をリードしてきた官界の、いわゆるインハウスエンジニアの空洞化が指摘される一方で、民間の地
術者は、調査・設計・施工・維持管理部門への分化・専門化が進むとともに、実務の現場では人材不足や
デスクワークの増加などにより、フィールド軽視・過度のマニュアル依存・経験不足の傾向が強まってお
り、各分野の協働ははり遅れていると言わざるを得ない。
 以上のような状況に鑑み、立ち遅れている異なる学問・技術分野の協働を推進するために、本研究委員
会を立ち上げて、その協働のあり方、とりわけ地盤工学と応用地質学の協働と学問体系も含めた相互
解、ひいては両学問をベースにした地盤技術のあり方を明らかにするものである。そのためには、テルツ
アーギなど地盤工学の先人達の応用地質学・土質力学に対する考え方も参考にしながら、我々の日常行
っている計画・調査設計・施工・維持管理に関する技術についても、地盤工学の原点に戻って考えるこ
求められよう。
 なお本研究は、地盤工学のあり方に関わる大きな研究課題で、チャレンジングで先駆的ともいえるテー
マであり、まず産学官の地盤技術者や地盤工学者が結集する地盤工学会関東支部という共通の場で活動
し、その成果を全国に発信することにより、将来は地盤工学会全体の議論に発展させたい。

■活動期間
  2019年5月~2022年3月

■2020年度事業計画
 【上期予定】
  ・委員会内に2〜3のWGを形成し、各委員を配置して具体的な活動を進める。
  ・初年度に続いて各委員からの話題提供を受け、議論を深めていく。
 【下期予定】
  ・GeoKanto2020での活動報告発表を行い、会員からの意見を聴取する。
  ・各WGの活動を具体的に進め、必要に応じて大学・企業他へのアンケート調査や事例収集を企画、
   実行する。

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■活動状況
会議名┃開催日┃議事録

2020年度
第1回委員会┃ 6月30日(火)┃議事録┃WG1┃8月5日(水)┃議事録
第2回委員会┃8月26日(水)┃議事録┃WG1┃9月16日(水)┃議事録

2019年度
第1回委員会┃ 7月11日(木)┃議事録┃第2回委員会┃ 9月18日(水)┃議事録