地盤工学会関東支部 埼玉県グループ
幹事 濱本 昌一郎(東京大学)
関東支部埼玉県グループでは,埼玉県の山地・台地・平地といった多彩な地形を工学的な観点や防災面も踏まえながら見て歩く企画の第二弾として,平成25年11月30日(土)にさいたま市南部での野外巡検を開催しました.
講師の先生と引率の埼玉県グループメンバーを含めた15名が,約8 kmのコースを巡り,随時,講師の竹村貴人 先生(日本大学)から説明をいただきました.一行は,さいたま市立病院を出発し,芝川を渡った後,大宮台地の縁沿いに見られる露頭を観察しながら,台地を形成する関東ローム層(立川ローム層・武蔵野ローム層)の形成過程や特徴について地質学的な視点から説明を受けました.続いて,再度芝川を渡り見沼用水西縁沿いを歩き,氷川女体神社を訪れました.ここでは,見沼田んぼ・御船祭・竜神伝説など見沼に関わる歴史について学びました.小休憩の後,見沼用水東縁に向かう途中の見沼大橋近くに立ち寄り,現地付近の柱状図を見ながら見沼低地が有する軟弱地盤について学びました.この後一行は,芝川沿いをしばらく歩き,綾瀬川・芝川等浄化導水事業の一環として建設された芝川立坑と放流口を視察しました.最後に,見沼用水東縁を歩いたところにある露頭で,再び関東ローム層の観察を行いました.ここでは,最初に訪れた露頭では確認できなかった東京軽石や硬砂層について観察することが出来ました.観察後,大崎園芸植物園付近まで歩き巡検は終了,一行は解散いたしました.
各見学箇所での説明に際して参加者の方から多数の質疑が寄せられ,特に露頭の観察では身近な関東ロームに対する関心の高さが伺えました.幸い天候にも恵まれ,心地よい散策を楽しむことができました.埼玉県グループによる野外巡検は今回で二回目となります.前回今回ともに,さいたま市南部の地形・地質を対象として巡検を企画いたしました.今後は,秩父地域など埼玉県西部についても巡検先候補として考えながら,引き続き魅力ある行事を企画して参りますので,是非ご参加ください.
末筆になりますが,この行事の企画から当日の案内までご協力をいただきました竹村貴人先生に厚くお礼を申し上げます.