地盤工学会関東支部 会員サービスグループ
学生幹事 成田恵祐(東京都市大学)
長谷川圭介(日本大学)
平成25年10月26日(土)に日本大学理工学部船橋キャンパスにおいて地盤工学会関東支部設立10周年記念行事「第8回ソイルストラクチャーコンテスト」を開催しました.今回は,運営の立場で参加した会員サービスグループの学生幹事が報告します.
コンテスト題材~ソイルブリッジ~
今大会のソイルストラクチャーコンテストではソイルブリッジ(土を締め固めて作る橋)を題材として,橋の強度のみではなく配合設計・施工の精度を競いました.コンテストは用意された種々の地盤材料と補強材を自由に配合してソイルブリッジを設計・作製しました.競技は,ソイルブリッジの耐荷重,プレゼンテーション,ソイルブリッ値(耐荷重/ソイルブチッジの高さ)の3点で順位を決定しました.
例年より多くの試料を使ってソイルブリッジを作製する必要があったため,配合に手間取ることも予想されましたが,いずれのチームもその場で試料を見て触ってそれほど時間を要さずに配合を決め,むしろ補強材や締固めに力を入れていました.特に各チームの補強材の工夫が面白いと思いました.指定された補強材のタコ紐をどういった形状や配置にするかを短時間で決定し、ちぎって短繊維にしたチームや、各層ごとに紐を敷設するチームなど,独創性がよく出ていたと思います.学生は日頃の研究や授業の知識を最大限に生かして知恵を絞っていたように思います.また,社会人チームは学生チームに負けまいとこれまでの経験やエンジニアとしてのセンスをソイルブリッジ作製にぶつけていたという印象を持ちました.
大会に参加していただいたすべてのチームの方々が真剣に競い合っていたのを見て,自ら競技に参加したいとも思いましたが,運営側としては参加者に満足していただけホッとしました.
載荷試験の様子 関東支部1都7県の地盤材料
コンテストの様子
コンテストの様子
今年度は関東支部10周年記念行事ということで,特別にソイルブリッジの試料に関東支部に属する1都7県で採取された10種類(砂,粘土,ローム,スコリアほか)の地盤材料を用意しました.
コンテスの結果
本コンテストでは,耐荷重の大会記録145Nを出した関東学院大学チームが総合優勝しました.
この記録は2位の耐荷重の約2倍の値で,準備していた載荷用の錘が足りなくなるほどの堅固なソイルブリッジでした.各部門の入賞チームは別表の通りです.関東支部10周年記念行事で大会記録がでてとても盛り上がりました.関東学院大チームみなさんおめでとうございました!
最後に
コンテストに参加してくださった関東学院,中央大学,東京都市大,日本大学,横浜国大A・B・C,社会人A(応用地質・不動テトラ),社会人B(佐藤工業他)の皆様および太田秀樹先生,各県の地盤材料を提供していただきました応用地質(株),強化土エンジニヤリング(株),(株)地盤試験所,東京電力(株),日本大学,(株)不動テトラ,前田建設工業(株),(独)労働安全衛生総合研究所の皆様にこの場をお借りして感謝の意を表します.
なお,来年度は新たなテーマでソイルストラクチャーコンテストを開催する予定となっております.多くの方々の参加をお待ちしております.
【総合順位】
順位 | チーム名 | 総合点 |
1 | 関東学院大学 | 94.6 |
2 | 横浜国大Bチーム | 78.6 |
3 | 東京都市大学 | 56.2 |
順位 | チーム名 | 耐荷重[N] | 得点 |
1 | 関東学院大学 | 145 | 30 |
2 | 横浜国大Bチーム | 71 | 25 |
3 | 東京都市大学 | 57 | 20 |
順位 | チーム名 | 高さ[cm] | SB値[N/cm] | 得点 |
1 | 関東学院大学 | 9.50 | 15.3 | 50 |
2 | 横浜国大Bチーム | 9.91 | 7.1 | 40 |
3 | 日本大学 | 4.68 | 6.7 | 30 |
順位 | チーム名 | 得点 |
1 | 社会人チームB(佐藤工業他) | 16.6 |
2 | 東京都市大学 |
16.2 |
3 | 社会人チームA(応用地質・不動テトラ) |
16.2 |