地盤工学会関東支部 千葉県グループ
幹事 若月洋朗
千葉県グループでは、関東支部創立10周年記念事業として、平成25年9月7日(土)に習志野市習志野消防署5階講堂にて、一般の方々を対象とした講演会を開催しました。講演内容は、2011年東北地方太平洋沖地震による地盤被害と復旧・復興をキーワードとして、2名の専門家を招き「地震時の地盤の揺れ」「液状化被害と土地条件の関係」についてご講演いただきました。参加者は、一般46名(市民32名、学生14名)、JGS会員31名の合計77名に上りました。開催の概要は以下の通りです。また、会場の様子を写真-1に示します。
日時:平成25年9月7日(土)、14:00~17:00
会場:習志野市習志野消防署5階講堂
講演:1)『ゆれやすさマップ』の解説と活用(14:10~15:10)
講師 浅尾 一巳 氏(千葉県防災危機管理部防災政策課)
2)東日本大震災による液状化被害と土地条件との関係(15:20~16:20)
講師 若松加寿江 氏(関東学院大学理工学部教授)
主催:公益社団法人 地盤工学会関東支部千葉県グループ
共催:習志野市
浅尾氏は、行政の立場から県内の地震防災に関する研究などに取り組んでおられ、今回はインターネット上でも公開されている「ゆれやすさマップ」についての解説と活用方法を講演いただきました。また、地震の揺れを引き起こすメカニズムや、揺れやすさを知るためには、地盤(地質)を知ることから始まり、過去の土地利用や災害の発生履歴を知ることも重要であるとの指摘がありました。そして、被害を小さくするために、地域や足下(地盤)に興味を持っては?との一般市民への投げかけもあり、専門的な内容ではありましたが、一般の方々の興味を引いていました。(写真-2)
続いて若松氏から、液状化の起こりやすい土地条件の見分け方についての講演がありました。有史以来の膨大な液状化履歴と土地条件のデータ分析にもとづき、過去に液状化が発生した履歴の多い土地条件についてわかりやすい解説があり、地名にもそれが如実に表れているという指摘について、一般市民の関心を集めていました。(写真-3)
今回は、予想を超える参加者が集まったことから、2011年の震災から2年半が過ぎた現在においても、一般の方々にとっては、地盤の揺れやすさや液状化被害の有無について、依然関心が高い事項であることが再確認されたように思います。また、品確法(平成12年)の見直しが行われ、住宅購入者に対し、液状化に関する情報提供を行う仕組みが整備されつつある状況を踏まえ、一般市民の立場に立った非常に有用なデータと知見が披露されたものと思われます。
最後に今回の講演会を実施するにあたり、会場の手配など色々な面で協力をいただいた習志野市都市整備部市街地整備課江川課長を始め市街地整備課の関係者の方々に大変お世話になりました。この場を借りまして心よりお礼申し上げます。
追伸)当日は㈱日本建設新聞社からの取材があり、9/10付け日刊建設新聞の1面に(図-1)のように、掲載して頂いたことを追加報告させていただきます。
写真-1 講演会会場の様子 写真-2 講演の様子(浅尾氏)
写真-3 講演の様子(若松先生)
図-1 新聞記事(9/10付、日刊建設新聞の1面より)