第7回 ソイルストラクチャーコンテスト 開催報告
地盤工学会関東支部 会員サービスグループ幹事
東京都市大学 田中 剛
地盤工学会関東支部では,平成24年10月6日(土)に日本大学船橋校舎にて第7回ソイルストラクチャーコンテストを実施しました.平成18年度から主に関東支部の学生会員向けに開催しておりました「ソイルストラクチャーコンテスト」を,今年度から学生会員と社会人の新たな交流の場として本イベントを実施しました.今年度の「ソイルストラクチャーコンテスト」から,土でつくる橋(梁)「ソイルブリッジ」を題材として,橋の強度のみではなく,配合・施工の精度を競う内容でコンテストを開催しました.
コンテストは,以下の規定にて基づいて実施されました。
①用意された4種類の地盤材料を配合して突固めてソイルブリッジを作製する.突固め回数については制限しない.
②与えられた補強材を必ず使用しなければならない.しかし,ソイルブリッジの底面に設置することは認めない.
③ソイルブリッジの型枠は指定のものを使用する.
④地盤材料と機材は運営者より支給される物のみを使用しなければならない.
⑤ソイルブリッジを配合する際の土の乾燥質量は4㎏とし,これを超えてはならない.
⑥審査項目は,耐荷重,ソイルブリッ値(耐荷重/ソイルブリッジの高さ),プレゼンテーション(設計方法)とし,総得点の高いチームが 優勝とする.
※ソイルブリッ値=耐荷重/ソイルブリッジの高さ
(例)耐荷重50.0N,高さ50.0mm ソイルブリッ値=1.00
耐荷重50.0N,高さ40.0mm ソイルブリッ値=1.25
耐荷重60.0N,高さ50.0mm ソイルブリッ値=1.20
今大会へは日本大学,中央大学,関東学院大学,東京都市大学から各1チーム,東京大学から2チーム,横浜国立大学から4チームが参加し,社会人で構成された1チームの参加があり,総勢11チームでコンテストを行いました.
各チームとも,配合試料の含水比調整や補強材の敷設位置などを工夫しながら,独自のアイデアおよび配合でソイルブリッジの作製に取り組んでいました.また,今大会では事前に練習してきたチームが複数おり,コンテストに対する積極的な姿勢が感じ取れました.
コンテストでは,「ソイルブリッ値」,「耐荷重」および「プレゼンテーション」の各部門の1位がそれぞれ表彰され,東京都市大学が,第7回ソイルストラクチャーコンテストの総合優勝に輝きました.また,耐荷重,ソイルブリッ値いずれも最高値でしたが,ブリッジ底面のフィルムを剥がし忘れより,「記録なし」となってしまった日本大学チームには,審査委員長より,審査委員長特別賞が贈られました.
本コンテストの運営に際して,日本大学および東京都市大学の学生の皆さんには多大な協力を賜りました。末筆ではありますが,ここに記して謝意を表します。
[表1.総合成績]
順位 |
所 属 |
得 点 |
1 |
東京都市大学
|
93.8
|
2
|
横浜国立大学D
|
81.0
|
3
|
中央大学
|
65.1
|
[ソイルブリッ値部門 ]
順位
|
所 属 |
ソイルブリッ値[N/mm]
|
耐荷重[N] |
高さ[mm] |
得点 |
1 |
東京都市大学
|
0.77
|
64.5 |
83.6 |
50 |
2 |
横浜国立大学D
|
0.74
|
61.4 |
83.0 |
40 |
3 |
中央大学 |
0.67
|
41.3 |
61.6 |
30 |
4 |
横浜国立大学A |
0.50 |
30.0 |
60.6 |
20 |
5 |
東京大学B
|
0.40
|
18.6 |
46.0 |
10 |
6 |
横浜国立大学B
|
0.35 |
32.1 |
93.0 |
5 |
[耐荷重部門]
順位
|
所 属 |
耐荷重[N] |
得点 |
1 |
東京都市大学
|
64.5 |
30 |
2 |
横浜国立大学D
|
61.4 |
25 |
3 |
中央大学 |
41.3 |
20 |
4 |
横浜国立大学B |
32.1 |
15 |
5 |
横浜国立大学A
|
30.0 |
10 |
6 |
東京大学B
|
18.6 |
5 |
[プレゼンテーション部門]
順位
|
所 属 |
得点 |
1 |
東京都市大学
|
30 |
2 |
横浜国立大学D
|
25 |
3 |
中央大学 |
20 |
4 |
横浜国立大学B |
15 |
5 |
横浜国立大学A
|
10 |
6 |
東京大学B
|
5 |
写真1:作製の様子 写真2:載荷の様子
写真3:集合写真