第16回 関東支部発表会(GeoKanto2019)の開催報告
関東支部 支部発表会グループ
リーダー幹事 長尾俊昌(大成建設)

 令和になってはじめての支部発表会となる第16回関東支部発表会(GeoKanto2019)が、令和元年年10月31日(木)に、東京都渋谷区の「国立オリンピック記念青少年総合センター」にて開催されました。青少年総合センター4階と5階に5つの会場を設け、一般発表103編と研究委員会の活動報告が行われました。204名の一般参加を得て、例年通りの優れた発表と活発な議論が行われました。研究委員会の活動報告では関東支部所属の7つの委員会から活動報告がありましたが、歴史遺産の地盤工学研究に関する研究委員会からは、未曾有の水害をもたらした台風19号によって、予定したシンポジウムが中止になった顛末とそれに基づくリスク管理の重要性が報告されました。
 新たな取り組みとして昨年度から始めた技術紹介(スポンサーとなって頂いた企業もしくは団体から技術紹介をして頂く)の場を本年度も設けました。午後の一般発表のセッションにおいて、一般発表に先立って行われた技術紹介は、発表時間を昨年度よりも延長したこともあり、各会場において昨年以上に熱心な技術の紹介をして頂きました。技術紹介をはじめとするスポンサー応募には述べ25件の申し込みがあり、発表会の運営に多大なご協力を頂くことができました。スポンサーに応募して頂いた企業・団体の方々には、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。
 発表会終了後には、会場と同じ敷地内にある「レストランとき」にて意見交換会を開催しました。89名の参加者があり、意見交換会にご参加頂いたスポンサーの方々によるショートスピーチもあり、活発な議論や交流の場となりました。
 最後になりますが、発表会の準備・実施にあたり、安田支部長をはじめとする多くの関東支部の方々にご指導とご支援を頂きました。特に支部発表会の委員の皆様には献身的な働きをして頂きました。ここに感謝の意を表したいと思います。
 Geokanto2020は国立オリンピック記念青少年総合センターにて開催致します。会員の皆様の積極的なご参加と企業・団体の方々のスポンサーへのご応募をお待ちしております。

     表1.関東支部発表会の開催概要

回数
年度
開催場所
参加者数
論文数
第1回
2004
 東京都文京区(JGS会館)
53
26
第2回
2005
 茨城県水戸市(茨城大学)
86
52
第3回
2006
 神奈川県横浜市(関東学院大学)
205
111
第4回
2007
 群馬県前橋市(県市町村会館)
187
126
第5回
2008
 千葉県船橋市(日本大学)
174
117
第6回
2009
 栃木県宇都宮市(県総合文化センター)
232
147
第7回
2010
 埼玉県さいたま市(大宮ソニックビル)
194
131
第8回
2011
 山梨県甲府市(ぴゅあ総合)
184
132
第9回
2012
 東京都江東区(日本科学未来館)
402
197
第10回
2013
 東京都江東区(日本科学未来館,東京国際交流館)
約310
186
第11回
2014
 東京都江東区(日本科学未来館,東京国際交流館)
約300
170
第12回
2015
 東京都江東区(日本科学未来館)
約300
163
第13回
2016
 東京都江東区(日本科学未来館)
約300
142
第14回
2017
 栃木県宇都宮市(栃木県総合文化センター)
329
145
第15回
2018
 東京都渋谷区(国立オリンピック記念青少年総合センター)
約230
125
第16回
2019
 東京都渋谷区(国立オリンピック記念青少年総合センター)
204
103

    表2.実行委員会委員

副支部長兼
グループリーダー
 長尾俊昌(大成建設)
学術部会
 リーダー:重村智(日大)
 日下部真佑(不同テトラ)
 堀越一輝(東工大)
 冨安祐貴(大林組)
 原弘典(中央開発)
総務部会
 リーダー:鎌尾彰司(日本大学)
 美野輪皇士(小野田ケミコ)
 植村一瑛(応用地質)
 山地伸弥(鹿島建設)
 栗本悠平(清水建設)
 青木美智子(地盤工学会)
 新屋麻美(アサノ大成基礎ENG)
 
県連絡委員
 松島亘志(筑波大)
 後藤聡(山梨大)
 早野公敏(横浜国大)
 清木隆文(宇都宮大)
 斎藤健志(埼玉大)
 山中光一(日本大)
 蔡 飛(群馬大)

    

            写真1. 一般発表の様子              写真2. 意見交換会の様子

第16回 地盤工学会関東支部発表会 優秀発表者賞
防災1
液状化・強度
 遠藤 彩佳(首都大学東京)
等価骨格間隙比と相対密度を用いた細粒分混じり砂の定常状態評価
 この度は、第 16 回地盤工学会関東支部発表会において優秀発表者賞を賜り、誠にありがとうございます。本研究では、等価骨格間隙比と相対密度を用いて細粒分混じり砂の定常状態評価を検討いたしました。今回の受賞ならびに発表会で頂いた貴重なご意見を励みに、今後も研究に勤しんでいきたいと考えております。ご指導頂いた吉嶺充俊先生をはじめとする研究室の方々にはとても感謝しております。この場を借りて心より御礼申し上げます。
防災2
液状化・対策工・一般
 王 サイ(東京理科大学大学院)
細粒分を多く含む砂質地盤の室内三次元浸透固化実験
 この度は、第 16回地盤工学会関東支部発表会におきまして優秀発表者にご選出いただき誠にありがうございます。本研究を発表するにあたり、指導教員である塚本良道先生をはじめ、関係者の皆様には、数々のご指導、ご鞭撻を賜りましたこと、ここに厚く御礼申し上げます。
防災3
斜面(降雨時)
 檀上 徹(防災科学技術研究所)
山砂を用いた室内散水実験に基づく斜面勾配と浸透能との関係
 この度は,第16回地盤工学会関東支部発表会におきまして優秀発表者にご選出いただき誠にありがとうございます。斜面表層部における浸透能と斜面勾配に関する基礎実験について報告させて頂きました。今後とも,浸透能に影響を与えるパラメータを変えた基礎実験を積み重ね,浸透能の定量化に向けた研究を進めていきたいと思います。
最後に,発表にあたり関係者の皆様には貴重なご意見やご助言を賜り,心より感謝申し上げます。
防災4
斜面・堤防 他
 新名 航(東京大学大学院)
洗掘を受ける橋脚基礎の崩壊過程に及ぼす河床材料の影響
 この度は優秀発表者賞にご選出いただき,光栄に思います。
本研究は河川橋脚基礎の洗掘に関して,地盤工学的な観点から取り組んだものです。今後は実スケールに近い条件での模型実験を行いつつ,地盤材料の変化が洗掘現象にどう影響していくのかを引き続き研究したいと考えています。
末筆になりますが,本研究を立ち上げからご指導いただいた渡邉健治先生をはじめ,模型実験の実施に際してご協力をいただいた鉄道総研の方々に心より御礼申し上げます。
防災5
斜面(地震時)・安定解析 他
 坂本 香菜子(群馬大学)
模擬根系の挿入角が与える斜面崩壊抑止効果への影響
 この度は、第16回地盤工学会関東支部発表会におきまして優秀発表者にご選出いただき、大変光栄に存じます。 本研究では、樹木の持つ杭効果に着目し根系の侵入角が降雨時の斜面崩壊へ与える影響について検討を行いました。今回の発表の場で頂戴した貴重な意見を励みに、さらに実験に取り組んで参ります。最後に、指導教員である若井明彦教授、共著者の後藤聡先生をはじめとする関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
防災6
地震動・防災計画 他
 野村 勇斗(東京電機大学大学院)
阿蘇谷の湖成粘性土層のせん断波速度構造による下端面の推定
 この度は第16回関東支部発表会において優秀発者賞に選出して頂き,大変光栄に思います。本発表では阿蘇カルデラで微動アレイ観測を実施し,湖成粘性土層のせん断波速度構造による下端面の推定を試みたものです。この研究を行うにあたり,観測データを提供して頂いた防災科学技術研究所の皆様および石川敬祐准教授をはじめとする関係者の皆様からのご指導ご鞭撻を賜りましたこと,心から厚く感謝申し上げます。
材料1
せん断・圧密
 鹿又 善憲(首都大学東京)
単純せん断と三軸圧縮せん断における砂の定常状態の比較
 この度は、このような名誉ある賞にご選出いただきまして、誠にありがとうございます。本研究は、単純せん断状態および三軸圧縮状態における砂の定常状態線がどの程度異なるかについて比較・検討したものになります。今回の賞を励みに、今後も実験に取り組みたいと思います。 最後に、ご指導いただきました吉嶺先生をはじめ、研究室、関係者の皆様にこの場をお借りして、心より感謝申し上げます。
材料2
地盤改良
 齋藤 拓未(早稲田大学)
CNFを添加した薬液注入材のCNFの分散性向上について
材料3
特殊材料 他
 押野 滉大(東京理科大学大学院)
転炉系製鋼スラグと高炉スラグ微粉末を混合した木くずの力学特性に与える高炉スラグ微粉末量の影響
 この度は、第16回地盤工学会関東支部発表会におきまして優秀発表者にご選出いただき誠にありがとうございます。本発表では、転炉系製鋼スラグと高炉スラグ微粉末を混合した木くずの力学特性に与える高炉スラグ微粉末量の影響についての検討結果を報告させていただきました。 本研究を発表するにあたり、指導教員である菊池喜昭教授をはじめ関係者の皆様には数々のご指導、ご鞭撻を賜りましたこと、ここに厚く御礼申し上げます。
構造1
締固め・盛土・擁壁 他
 井原 壮(東京理科大学大学院)
砂礫の締固め特性と強度特性に及ぼす礫含有の影響の実験的検討
 この度は,第16回地盤工学会関東支部発表会におきまして優秀発表賞にご選出いただきありがとうございます。本発表では,礫質土の締固め及び強度特性について報告させていただきました。 本研究を発表するにあたり,指導教員である菊池喜昭教授をはじめ関係者の皆様には数々のご指導,ご鞭撻を賜りましたこと,ここに厚く御礼申し上げます。
構造2
 毛利 惇士(東京理科大学大学院)
杭の水平載荷実験における土槽壁面摩擦力が杭の挙動に与える影響
 東京理科大学大学院の毛利惇士です。優秀発表者賞に選んでいただきありがとうございます。今回は,土槽壁面摩擦力が杭の水平挙動に及ぼす影響について整理した内容で発表させていただきました。発表セッションや意見交換会では貴重なアドバイスをいただくことができました。ありがとうございます。
その他
施工・調査 他
 近藤 誠(早稲田大学)
i-Construction推進に向けた砂・Ca型ベントナイト混合土を対象とした明度による締固め状況の確認の一考察
 この度は、第16回地盤工学会関東支部発表会GeoKanto2019におきまして、優秀発表者にご選出いただき、ありがとうございます。
本研究は写真による締固め管理のシステム構築を目的としており、発表では、締固めた砂・Ca型ベントナイト混合土の供試体の明度の測定結果を報告させていただきました。 最後になりますが、本研究を発表するにあたり、関係者の皆様には数々のご指導をいただきました。心より感謝申し上げます。
環境1
廃棄物処分
 松浦 慶弥(茨城大学大学院)
貝殻型キャピラリーバリアの毛管上昇遮断効果の長期予測に向けた一考察
環境2
廃棄物・一般
 山本 有雅(早稲田大学)
自己シール性評価に向けたベントナイトの膨潤変形に伴う乾燥密度の変化の考察
 この度は、第16回地盤工学会関東支部発表会におきまして優秀発表者にご選出いただき誠にありがとうございます。
本研究では自己シール性について定量評価する方法・実験装置の提案を目指しています。本発表では、膨潤変形試験から推察した膨潤変形によるベントナイト供試体内部状態の時間変化について発表させていただきました。 本研究を発表するにあたり、関係者の皆様にはご指導ご鞭撻を賜りましたこと厚く御礼申し上げます。