第12回 関東支部発表会(GeoKanto2015)の開催報告 |
支部発表会グループ 学術部会長 渡邉康司(大林組技術研究所) |
第12回関東支部発表会(GeoKanto2015)が,平成27年10月9日(金)に東京都江東区の日本科学未来館において開催されました.今年度は,1施設・計5会場と会場の規模は昨年に比べて縮小したものの,昨年の論文数とほぼ同数の163編の一般発表セッションに加え(参考:表1),2つの特別セッションと2つのディスカッションセッションならびに研究委員会の活動報告が行われ,優れた発表と活発な議論が行われました. |
表1.関東支部発表会の開催概要
表2.実行委員会委員
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第12回 地盤工学会関東支部発表会 優秀発表者賞
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防災1 |
水野 弘二(東日本旅客鉄道株式会社)「脈状地盤改良による液状化対策工法の改良効果の一考察」 |
この度は優秀発表者賞にご選出いただき、大変光栄に思います。私が発表した内容は、既に提案させて頂いている脈状地盤改良による液状化対策工法を、液状化層を有する実地盤に適用し、改良効果を確認したものです。 結果として、目標改良率10%に対して、実施工後の換算N値から算定される改良率は5%程度であることが確認されました。この結果を今後予定している実施工に生かしていきたいと考えております。本研究の発表にあたり、関係者の皆様には貴重なご意見やご助言を頂きました。心より感謝申し上げます。
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防災2 |
梶原 和博(横浜国立大学)「液状化による道路沈下量の計測値と液状化指数の関係に基づく新たな液状化ハザードマップの構築」 |
この度は、第12回地盤工学会関東支部発表会において優秀発表者賞を賜り、誠に光栄に存じます。研究にあたりご指導頂きました横浜国立大学小長井一男教授、東京大学清田隆准教授、Rama Mohan Pokhrel研究員、(株)基礎地盤コンサルタンツ丸山昌則様をはじめ、ご協力頂いた皆様に深く感謝申し上げます。本研究は、東北地方太平洋沖地震で東京湾沿岸部を中心に深刻な液状化被害が生じたことを受けて、液状化ハザードマップの高度化に関する検討を行ったものです。地震被害の軽減に資することの出来るよう、今後とも一層研究に取り組んでまいります。
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防災3 |
関口 敬介(早稲田大学)「粘性土の浸食脆弱性と塑性指数の関係性の推察」 |
この度は、第12回地盤工学会関東支部発表会(GeoKanto2015)にて優秀発表者賞を戴きまして、大変光栄に思います。今回は粘性土の塑性指数と浸食脆弱性の関係性に関して発表させていただきました。近年、深刻な問題となっている集中豪雨およびそれに伴う河川堤防の決壊を防ぐために、身近なパラメータである塑性指数に着目して堤防の浸食を評価しようと考えたのが本研究の目的となります。将来起こり得る堤防の決壊を未然に防ぎ、多くの人々の役に立つためにこれからも本研究を発展させるべく努力を積み重ねていきたいです。
最後になりましたが、弊研究室の小峯教授、研究室OBの阿部様、星様のお力添えがあったからこそ、このような素晴らしい賞をいただけたのだと心得ております。お世話になりました皆様には、心より感謝申し上げます。今後とも、ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。 |
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防災4 |
笹岡 里衣(中央大学大学院)「三軸BE試験による室内再構成試料の液状化強度とS波速度の関係」 |
この度は優秀発表者賞を頂戴し誠に光栄に思います。本研究は「年代効果」を受けた試料のせん断波速度と液状化強度の関係を検討し、年代効果の定量的評価を目指しています。両者の解明には今後、更なるデータの蓄積が求められますが、この賞を励みに研究に邁進する所存です。 最後に、本研究を行うにあたり、指導教授の國生剛治教授をはじめ多くの皆様からご支援を賜りましたことにこの場を借りて御礼申し上げます。 |
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防災5 |
新井 逸郎(東京大学大学院)「スレーキング指数の低い泥岩礫質土のせん断クリープ変位に及ぼす乾湿繰り返しの影響」 |
この度は第12回地盤工学会関東支部発表会にて優秀発表者にご選出いただき、大変光栄に思います。本研究では、斜面を構成する泥岩の乾湿繰り返し風化(スレーキング)に伴う強度低下を調べるため、所定の応力下で供試体を飽和・乾燥できるよう改良した一面せん断試験機で実験を行いました。今回の受賞を励みに、今後さらに実験を積み重ねていきたいと考えております。 最後に、ご指導賜りました清田隆准教授をはじめ、共同研究者の皆様に深く御礼申し上げます。 |
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材料1 |
Zain MAQSOOD(東京大学大学院)「BEHAVIOR OF GYPSUM MIXED SAND UNDER UNCONFINED MONOTONIC AND CYCLIC LOADING CONDITIONS」 |
Firstly, I would like to thank the organization committee for giving me an opportunity to present my latest research titled “Behavior of Gypsum Mixed Sand under unconfined monotonic and cyclic loading conditions” in GeoKanto 2015. I personally appreciate the efforts made by the committee members to encourage research awareness and inspiration among young researchers.
It is also a great attainment for me to be nominated for Best Presentation Award and I would like to acknowledge my advisor, Prof. Junichi Koseki for his precious guidance throughout my research. Lastly, I would also like to thank my beloved wife for her continual support and persistent motivation.. |
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材料2 |
上村 健太郎(東京都市大学)「シリカ微粒子の浸透性に関する検討」 |
この度は、第12回地盤工学会関東支部発表会におきまして優秀発表者賞にご選出いただき、大変光栄に思います。本発表において、このような評価をいただけたことは、今後私自身が研究を進めていく励みとなります。
末筆となりましたが、本研究を発表するにあたり、指導教員である末政直晃教授、強化土エンジニヤリング(株)の佐々木隆光氏、佐藤工業(株)の永尾浩一氏には様々なご指導を頂きました。心より感謝申し上げます。本当に有難うございました。 |
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材料3 |
加賀美 岳志(筑波大学)「粒状体層中の微粒子の間隙落下挙動」 |
この度は第12回地盤工学会関東支部発表会Geo-Kanto2015におきまして優秀発表者賞に選出していただき、誠にありがとうございます。今回、粒状体層中での微粒子の間隙落下挙動について発表させていただきました。地盤工学において塑性圧縮やせん断強度、透水性などを検証するために粒状体中の細粒分移動現象の解明は重要な基礎テーマと考えられます。本研究では、乾燥状態の粒状体内の微粒子落下挙動に着目し、ガラスビーズを用いた実験および個別要素法解析により、微小粒子の付着力が間隙落下挙動に及ぼす影響について検討を行いました。今後は、透水実験において動水勾配に対する内部浸食による粒子の流出量の観測等を行っていく予定です。
最後になりましたが、今回このような賞をいただくことができたのは一重に指導教員の方々および研究室の皆様のおかげであると思っております。この場を借りて感謝の意を表します。 |
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材料4 |
秋元 宏仁(東京都市大学)「滑走路舗装における劣化予測モデルの構築」 |
この度は第12回地盤工学会関東支部発表会におきまして優秀発表賞にご選出いただき、大変光栄に思います。 私が発表した手法はまだ確立されたものではなく、劣化予測モデルをより完成度の高いものとするために、今後もより一層研究に精進していきたいと思っております。
最後になりましたが、本研究の発表にあたり、指導教員である末政直晃先生、伊藤和也先生、国土交通省前川氏、猪岡氏、港湾空港総合技術センター西川氏には多大なご指導、ご鞭撻をいただきました。心より御礼申し上げます。 |
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材料5 |
中島 航(群馬大学)「前橋台地周辺の泥流堆積物の分布特性と液状化強度」 |
この度は、第12回地盤工学会関東支部発表会GeoKanto2015優秀発表者にご選出頂き、誠にありがとうございます。
本研究は、群馬県前橋市の前橋台地を中心とした堆積物である前橋泥流堆積物について、その液状化強度特性に影響を及ぼしているものを解明することを目的とし、その堆積環境と液状化強度の関連性を検討致しました。前橋泥流堆積物は現行設計法にある液状化判定では正確に液状化判定を行えていない可能性があります。今回の研究が、前橋泥流堆積物の液状化強度特性を正確に把握する一助となれば幸いです。 最後になりましたが、日頃よりご指導賜っております若井明彦教授をはじめ、関係者の皆様に心より御礼申し上げます。 |
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環境1 |
鈴木 ひかり(茨城大学)「粒径の異なる貝殻を用いたキャピラリーバリアにおけるカルシウムスケールへの影響」 |
この度は、優秀発表者賞にご選出いただき、誠にありがとうございます。本研究では、水戸市一般廃棄物最終処分場を対象に、覆土工法の1つであるキャピラリーバリア型覆土に貝殻を利用する場合のカルシウムスケールへの影響を確認しました。その結果、貝殻の粒径はスケール生成に影響しないことを明らかにしました。今後は他の影響因子との関係を明らかにしたいと思います。
最後に、本研究の発表にあたり、ご指導いただいた先生方および研究室の皆様に心より感謝申し上げます。 |
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環境2 |
尾崎 匠(早稲田大学)「粗粒材と粘性土で構成される覆土式遮水構造の設計に向けたメスシリンダー法によるベントナイトの浸潤・膨潤特性の簡易評価」 |
この度は、優秀発表者にご選出頂きまして大変光栄に思います。本研究の発表にあたり、関係者の皆様には貴重なご意見やご助言を頂きました。心より感謝申し上げます。
今回、ベントナイトの浸潤・膨潤特性の簡易試験を行う際に生じる、土の間隙空気の圧力が密閉条件下で水の浸潤に影響を起こす事象などを私は発表致しました。今後は、ベントナイトと粗粒材を基本とした層構造に対しこの簡易評価を行い、さらに詳細試験と合わせることで遮水性を評価していく所存でございます。 |
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環境3 |
杉浦 安奈(中央大学大学院)「地盤振動に関する既存の予測式の検討」 |
この度は、第12回地盤工学会関東支部発表会におきまして優秀発表者賞にご選出いただき、誠にありがとうございます。今回発表した研究は、高速鉄道が高架橋を走行した際に発生する既存の地盤振動の予測式について検討したものです。
今回は1編成のみを対象としましたが、今後の研究では他の編成を対象とし、また減衰の検討を行い、より再現性の高い予測式を検討していきます。本研究の発表にあたり、関係者の皆様には貴重なご意見やご助言を頂きました。心より感謝申し上げます。 |
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構造1 |
深津 圭佑(東京理科大学大学院)「小型循環水路による防潮堤模型の耐越流特性の検討」 |
この度は、優秀発表者にご選出頂きまして誠にありがとうございます。本研究は被覆工・法勾配・補強材の有無などが越流時の防潮堤の抵抗性能に及ぼす影響を越流実験によって検討したものです。東北地方太平洋沖地震で発生した大津波によって多数の防潮堤が決壊しました。本研究結果より、パネルで被覆したGRS防潮堤は耐越流性能が高いことが把握出来ましたが、今後は内部構造を変えた模型(例えば上下流の法勾配や砕石層厚を変える等)・部分補強防潮堤模型等の越流実験を行い、引き続き耐越流性能の高い防潮堤を模索して参ります。
最後になりますが、本研究の発表にあたり、指導教員である菊池喜昭教授をはじめとする多くの方々より貴重なご意見を頂きました。また、一緒に研究を行ってくれた久松君・小林君にも心より御礼申し上げます。 |
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構造2 |
森安 俊介(新日鐵住金株式会社)「ウォータージェットとセメントミルクジェットを併用したバイブロハンマ工法における鋼管杭先端根固めの築造性に関する検討」 |
この度は、第12回地盤工学会関東支部発表会Geo-Kanto2015におきまして優秀発表者賞にご選出いただき、大変光栄に思います。今回、桟橋等の港湾構造物の基礎杭を対象にした、ウォータージェット及びセメントミルクジェットを併用したバイブロハンマ工法に関して、杭先端部のソイルセメント根固めの築造性について発表いたしました。模型実験により築造プロセスを工夫することで良好な根固めが築造できること、FEMにより小土塊が残留しても根固め全体の耐力には影響しないことが把握できております。経済的・合理的な施工を目指して、引き続き知見を積み重ねて参りたいと思います。
最後になりましたが、本研究にあたり関係者の皆様には多大なご助力やご指導を頂きました。心より感謝申し上げます。 |
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構造3 |
光森 章(株式会社大林組)「節付き地中連続壁を用いた立坑の盤ぶくれ抵抗」 |
この度は、優秀発表者賞にご選出していただき大変光栄に思います。従来、大深度立坑を地中連続壁で構築する場合、盤ぶくれ対策で根入れ長が大きくなることが課題でした。私が発表した「節付き地中連続壁を用いた立坑の盤ぶくれ抵抗」は、連壁根入れ部に構築した節が盤ぶくれ抵抗に寄与することを実験で解明し、その設計評価法について報告したものです。今後、実構造物に適用された場合は、計測や解析によって抵抗機構をさらに深度化していきたいと考えています。
最後となりましたが、本研究の発表にあたり、関係者の皆様には貴重なご意見やご助言を頂きました。心より感謝申し上げます。 |
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施工他 |
牛田 将太(早稲田大学)「小型FWDを用いた簡易アスファルト舗装の構造評価手法に関する研究」 |
この度は、優秀発表者賞にご選出いただいたこと、大変光栄に思います。私は『小型FWDを用いた簡易舗装道路の構造評価手法に関する研究』と題し、重錘を落下させ落下地点から定められた距離とたわみ量の関係から道路舗装の構造評価を行うFWD試験機を小型化させたものを用いた研究の発表をしました。従来では車載型FWD試験で検査されますが、車が走行することの出来ない生活道路などで代わりに小型FWD試験を用いて調査および構造評価を行う方法の確立を目的としております。 最後になりましたが、本研究に対しご指導くださいました皆様に深く感謝しています。自分は学部卒業した後就職する予定ですので、残り数ヶ月悔いの残らないよう日々精進して研究を行う所存でございます。 |
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DS(地盤リスク) |
下野 勘智(横浜国立大学)「我が国の自然災害に対するリスク指標Gross National Safety for natural disasters(GNS)の開発」 |