GeoKanto2014学生企画報告

学生幹事リーダー 早稲田大学 小林尚登
         中央大学  笹岡里衣

1.企画名 「お腹も粘土も膨らませます!ベントナイト昼食会」
2.開催日時 平成26年10月3日(金)  12:30~13:25(昼休み)
3.開催場所 東京国際交流館 会場6
4.参加者人数 38名
5.学生幹事
川合美奈(山梨大B4),川部優太(茨城大M1),倉科孝(東京理科大M1),小井戸菜海(東京工業大M1),小林尚登(早稲田大M1),笹岡里衣(中央大M1),住田啓輔(群馬大B4),谷野由宗(早稲田大B4),中村淳(早稲田大B4),松谷亮(埼玉大M1),三浦丈典(早稲田大B4),三宅光葉(東京農工大M1),安田悟(関東学院大M1)  以上13名 ※五十音順
6.目的
地盤工学の知識を深めるとともに,同じ分野を専攻する学生同士の交流を深める.
7.企画概要
今年度の学生企画は2部構成となっており,ベントナイトを用いた「実験」とお菓子を囲んだ「昼食会」を行った.
まず,「実験」ではベントナイトが溶液と反応すると膨潤するが,ベントナイトと溶液の組合せを変え,どの組み合わせが最も膨潤するかを競い合った(チーム対抗戦).ベントナイトは2種類,溶液は5種類用意した.
ベントナイトと溶液を膨潤させている間に「昼食会」を行い,お菓子と飲み物を囲みながら学生間の交流を図った.

≪競技ルール≫
(1)使用するベントナイトを選ぶ.Na型とCa型を各々5つずつ用意.
(2)使用する溶液を選ぶ.炭酸水,食塩水,石鹸水,サラダ油,中性洗剤を各2瓶ずつ用意.
(3)希望するベントナイトの種類,溶液を選択.希望が重なってしまった場合はジャンケン.
(4)ベントナイトの入ったペットボトルに溶液を入れ,ボトル5秒間力を込めて振る.
(5)膨張量は持ち上がった高さで測定する.
(6)一番膨張が激しかったグループの優勝.

≪ベントナイトと溶液の関係≫
事前実験によるベントナイトと各溶液の反応の特徴は以下の通り.
①炭酸水…溶液中の微小な気泡が土粒子間の摩擦を軽減するため、ワーカビリティに優れる.かき混ぜが困難な今回のような状況でも容易に反応が進むだろうと思われる.
②食塩水…溶液中のナトリウムイオンがベントナイト中のモンモリロナイトの膨潤構造を破壊するため,ほとんど膨潤はしない.
③石鹸水…気泡ができるが,少々大きすぎる.けん化反応の残留Naが存在している可能性もあるので,中ぐらいの膨潤量となる.
④サラダ油…油脂とは反応しない.親油性の膨潤土を作る研究もあるが,今回は用いていない.
⑤中性洗剤…中性条件下で半親水半親油性を持つことがカギである.

       

写真-1 ベントナイトと溶液の反応の様子(事前実験)
          (左から順に,蒸留水,炭酸水,食塩水,サラダ油,吸水性ポリマー)  
              

       

写真-2 会場内の様子       

8.学生企画を終えて
学生幹事から寄せられた感想・次世代へのメッセージを掲載いたします.
・最初の顔合わせから学会での学生企画の本番まであまり時間がなく,話し合いの機会が限られていたり,会場や予算などにも制限があったりとあまりいい条件とは言えませんが,知恵を絞ってよい企画を考えてください.学生企画の目的は学生同士の交流を深めることだと思いますが,幹事同士も企画の立案・運営の過程で仲良くなれます.大変だとは思いますが,がんばってください.
・今年の幹事はみんな気さくでイベントに積極的な方ばかりで,とても和気藹々と話し合いを行うことができました.幹事会と硬くならず,自由な発想で企画立案を進めていってよいと思います.今年は実験企画を行いましたが,昨年に比べてイベント中も堅苦しくなく,和やかな雰囲気が強かった印象を受けました.
ただ,予算の面や時間の面でも色々制約は多いです.どれだけ早く企画内容を決め,それをいかに具体化できるかが大切だと思います.また,実行委員の大人の方々との連絡を密にすることがとても重要になってきます.広報等の方法に関しても,連携して上手くできたらいいと思います.
・学生企画楽しいので,絶対参加するべき!!これからも学生企画を盛り上げていってください!!
このような企画があるのは地盤工学会関東支部くらいなのではないでしょうか.そのくらいこの企画は貴重であり,まして幹事として携われたことは非常に価値の高いものです.正直なところ,私は自ら進んで幹事に立候補したのではありません.しかし,今となっては,学生企画に携われたことに誇りと自信を感じています.また,企画を運営していく中で研究室にいては学ぶことができない,様々なことを学ばせて頂きました.そして,同世代の学生はもちろんのこと,各業界の第一線で活躍されている社会人の皆様など多くの方々とお知り合いになることができました.学生企画を通して人脈や視野を広げられたことは,土木技術者として,さらには事業者を希望している身としては今後の大きな財産となりました.
将来の学生幹事の方に伝えたいことは,まずは自分がこの企画を楽しむこと,そして一生懸命に取り組むことが大切だということです.そうすれば,最後に振り返った時に大きな満足感を得られる事でしょう.途中,様々な困難にぶつかりましたが,皆で知恵を出し合い,乗り越えたときの喜びは今も忘れられません.ぜひ,皆さんにもこの快感を味わってほしいと思います.
今後どのような形になるかわかりませんが,学生企画が益々盛り上がっていくことを願っています.
・今年度の学生企画は「実験と交流会」ということで,当日のスケジュールはタイトではありましたが,程よく学びと遊びを取り入れられ,当初の学生企画の目的を達成することができました.地盤工学と一言で表してもその範疇はとても広く,ベントナイトを知らない学生もおり,企画に新鮮な気持ちで取り組む姿が多くみられました.また,実験後に解説を行うことで学術的にもプラスになったのではないでしょうか.
この度,このように学生企画を無事終えることができたのは,多くの皆様のご支援やご協力のお蔭です.特に,GeoKanto2014実行委員会の皆様,地盤工学会関東支部企画総務グループの皆様,事務局青木様には大変お世話になりました.厚く御礼申し上げます.また,今回集まった13名のGeoKanto2014学生幹事会はこれですべての役割を果たしたのではなく,今後さらに学生企画や地盤工学を専攻する学生間の交流が深まるよう努めていくことがこれからの役割と考えております.引き続きご支援賜りますようよろしくお願いいたします.
最後になりますが,このような貴重な機会を設けていただきありがとうございました.

          

    写真-3 参加者集合写真               

写真-4 GeoKanto2014学生幹事会