「盛土規制の技術的ポイント~土地の用途や目的にかかわらない包括的な規制~」講演会開催報告

関東支部 山梨県グループ
リーダー幹事 梶山 慎太郎(山梨大学)

 2025年12月3日(水)に、山梨県甲斐市敷島総合文化会館大ホールにおいて、「盛土規制の技術的ポイント~土地の用途や目的にかかわらない包括的な規制~」を開催しました。本講演会は、地盤工学会関東支部山梨グループ主催、土木学会関東支部山梨会共催、山梨県建設技術センター協賛で行われました。本講演には166名の参加がありました。
 本講演は、令和5年5月26日に施工された宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)について、国土交通省の盛土等防災対策検討会ならびに地盤工学会会長特別委員会の委員を務められた群馬大学大学院理工学府教授若井明彦先生から、その背景、制度設計の考え方、ならびに運用上の課題について解説いただきました。
 公演では、2021年の熱海土石流災害を契機として、従来十分な規制が及んでいなかった盛土が重大な災害リスクとなり得ること、従来の制度では十分に対応できなかった背景についてご説明いただきました。
また、盛土規制法が「土が盛られている状態」そのものを対象とし、置き場所と置かれ方の両面から規制する制度設計となっていることを通じ、災害防止には事後対応ではなく、危険な場所に盛土を行わせないという予防的な考え方が重要であることをご説明いただきました。さらに、新設盛土と既存盛土を区別し、リスク評価に基づいて優先順位を付ける現実的な対応の必要性など、制度設計の考え方を丁寧に解説いただきました。
一方で、制度を実効あるものとするためには、行政の監視体制や施工・維持管理の確実な履行といった運用上の課題が残されていること、関係機関や地域との連携、技術的手法の活用など、条文を読んだだけでは見えてこない実務上の問題についても詳細にご説明いただきました。
 講演会後、非常に多くの方々から法令の理解、疑問点の解消に関して非常に有益だった旨ご連絡いただきました。本講演会が実務者の方々の円滑な業務遂行の一助になることを願います。

  写真-1 講演会の様子   写真-2 会場全景