群馬県グループでは、令和7年11月13日(木)に、「前橋泥流堆積物を理解して使う~露頭の見学と講演~」の講習会を開催しました。群馬県県央部に広く堆積する「前橋泥流堆積物」は、主に浅間山の火山噴出物から成りますが、その土質区分と標準貫入試験のN値などから、液状化対策対象土として判定されることが多くあります。しかし一方で、実際に繰返し三軸圧縮試験などを行ってみると、液状化強度はそれほど小さくない結果が示されるのも事実であり、場合によっては必要以上の過大設計がなされている可能性もあります。そこで本講習会は、民間技術者だけでなく、公共工事の発注者の立場としての官公庁職員の方々に前橋泥流堆積物の事をより知っていただくことを目的として開催しました。
講習会には41名(うち自治体職員22名)の方々に御参加いただきました。講習会の前半では、2班に分かれて群馬県庁周辺に露頭している前橋泥流堆積物層の実物(2カ所)を見学しました。現場に待機していた群馬県グループ幹事の技術者によって、実物の前橋泥流堆積物を見て触りながら、土の特性について説明が行われました(写真1参照)。講習会の後半では、2名の講師の先生による講演が行われました(写真2参照)。1件目は火山灰考古学研究所の早田 勉 先生により「関東平野北西部「利根川扇状地」の三万年自然史」の題目で講演が行われ、前橋周辺の表層地質の由来や分布、層序、堆積年代、地形の移り変わりなどについて解説が行われました。工学的・力学的視点からは、地盤の時間的変化を意識することは少ないので、時々刻々と変化する表層地盤の歴史の説明は新鮮な経験となりました。2件目は、群馬大学の蔡 飛 先生により「前橋泥流堆積物の物理・力学特性」の題目で講演が行われ、堆積物の採取場所に応じた粒度分布やコンシステンシー限界の違いとともに、実際に繰り返し三軸試験により求められた液状化強度等が示され、前橋泥流堆積物の地層は液状化しないことが示されていました。自治体職員の若手技術者からは「普段扱っている前橋周辺の表層地盤の事を知れたので、今後の仕事を少しは自信を持って行えそうな気がします」との感想をいただきました。
本講習会は、共催団体として土木学会群馬会、後援団体として群馬県建設技術センターの御協力を得て開催しました。ここに記して謝意を表します。
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