盤地盤工学会関東支部では、正会員、特別会員の区別なく(個人会員でない方でも、所属先が特別会員であれば参加可能)どなたでもご参加いただける、産官学の著名な講師による講演会を開催している。10月開催の特別講演会「品川駅周辺まちづくり(鉄道改良・基盤整備等)」は、田中大氏(東日本旅客鉄道(株))を講師として、令和7年10月31日(金)17時~18時に、地盤工学会会館地下大会議室より、対面とZoomウェビナーを用いたオンライン配信のハイブリッド講演会として実施した。参加者は、対面が28名、オンラインが50名、計78名であった。
本講演は、品川駅の歴史・変遷、品川駅・車両基地の課題、車両基地再編・新駅整備・品川駅改良(課題の解決)、車両基地再編後の基盤整備・まちづくり(土地区画整備事業、公共事業、他鉄道会社事業・民間開発)で構成されていた。1872年の品川駅開業後、海を埋め立て車両基地の整備・拡張が進められてきた変遷の紹介の中では、開業当時、品川駅に迫る海岸線の様子のわかる写真や品川駅周辺の地質の紹介があった。一方、現在、首都圏最大の収容規模(敷地面積約22ha)を誇る品川車両基地は、戦前の線形のまま多様な施設・設備が整備されてきた結果、近年の輸送体系にそぐわない入り組んだ配置となり、低効率化している課題を抱えている、さらに品川駅の乗降人員はJR東日本の発足(1987年)以来30年間で2倍、さらにこの先も品川駅周辺開発・リニア開業等によるさらなる増加が見込まれ、品川駅の混在緩和・利便性の向上が必要不可欠な状態に置かれているとの説明があった。このような課題を有する中、車両基地再編・新駅整備・品川駅改良(高輪ゲートウェイ駅整備)、さらに車両基地整備後の基盤整備・まちづくり(土地区画整理事業)を展開するにあたり、2008年着工、工期約12年、計7回の線路切換工事を経て車両基地の再編を完遂したとのことであった。首都圏の代替の利かない大規模な既存施設の改良に際しての苦労が垣間見えた。現在は品川駅北口改良、環状第4号線整備事業、京浜急行の連立事業、西口開発ビル事業などが進行中であり、それらの紹介を経て講演を結ばれた。
地盤工学会関東支部の特別講演会では、地盤工学に直接かかわる内容に限定せず、最新の話題の施策や現場、技術等、会員の皆様に興味をもっていただける内容の講演を企画している。今後も、開催方法も含めて、地盤工学会の会員ニーズにこたえられるような企画を実施していきたいと考えている。
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