「ジオ散歩~国分寺崖線の自然と史跡を巡る~」開催報告

関東支部 会員サービスグループ
担当幹事 内田 翔太((株)不動テトラ)
高橋 明日香(東京都市大学)

 会員サービスグループでは、歩きながら、見て、知って、学ぶ企画「ジオ散歩」を開催しています。第6回となる今回は、去る2025年5月24日に「ジオ散歩~国分寺崖線~」と題し東京都国分寺市の武蔵国分寺跡周辺をフィールドとして開催しました。前日まで天気は予断を許しませんでしたが当日は天気にも恵まれ、9名の参加者とグループ幹事5名に加え、国分寺市の史跡ガイドボランティア4名の計18名で国分寺崖線周辺の史跡群や湧水群の見学を行いました。見学ではボランティアより史跡群やそれらの建立された背景、国分寺崖線の成り立ちについて丁寧にご説明いただきました。
 今回は、国分寺市より発行されているマップを基に重要な史跡と国分寺崖線近辺を見学できるコースを設定しました。国分寺市には縄文時代から奈良時代にかけての史跡が多数保存されており、縄文時代の史跡として柄鏡型住居跡(柄付きの鏡の形の住居)が保存されています。奈良時代には聖武天皇の命で諸国に国分寺が建立されましたが、武蔵国分寺はその中でも特に大きいものとされています。武蔵国分寺及び国分尼寺の跡には柱が立っていた場所に基礎石が設置されるなど、当時の姿に近い状態で保存、整備されていました。湧水群としては真姿の池湧水群があり、現代でも湧水が多く出ることを知ることができました(大雨の時には石の隙間からも多く水が出るそうです)。武蔵国分寺公園では国分寺崖線の上を歩きながら解説を頂くことができました。コース後半の東山道武蔵路跡は武蔵国と上野国を結んでいた当時道路の遺構であり、これらの貴重な史跡を多数見学することができました。また、武蔵国分寺跡資料館では発掘された土器や金属器の他、周辺の地層写真の展示があり、当時の暮らしや地層についての理解を深めることができました。
 散歩を終え、参加者の方々からは、「国分寺の歴史に触れられた」、「奈良時代の歴史の話が面白かった」、「国分寺があった理由を知れたので学びになった」などの声が寄せられました。多くの皆様にご協力をいただくと共に、特に国分寺市の奥山様にはガイドの募集等の準備、当日のガイドの方々には当日の解説等の多大なご協力により充実した内容とすることができました。紙面を借りまして厚く御礼申し上げます。

     
 写真-1 湧水群の見学     写真-2 集合写真