2025年1月10日(金)に、山梨大学甲府キャンパスT1号館において、「地盤工学の最近の話題―地盤調査と地盤災害―」を開催しました。本講演会は、山梨大学工学部土木環境工学科地盤工学研究室主催、山梨県グループ共催で行われました。本講演には土木工学、環境工学を学ぶ学生を含め31名の参加がありました。
本講演では、前半と後半の2部構成で4名の講師にご講演いただきました。
東京大学名誉教授・関東学院大学客員教授 東畑郁生 先生から「地質リスクと地盤調査という作業の重要性」というテーマで講演いただきました。講演では、地盤調査技術のご説明だけでなく、地盤工学技術者の地位向上についての熱い思いも説明いただきました。
東北大学名誉教授・川崎地質株式会社技術顧問 風間基樹 先生から「2011年東日本大震災の被害、復興・復興を振り返って」というテーマで講演いただきました。震災後の復興の様子を、港湾関係の地盤構造物を中心に写真を交えて丁寧に解説いただきました。
基礎地盤コンサルタンツ株式会社 青山翔吾 様から「地盤調査結果の解釈と設計への適用」というテーマで講演いただきました。標準貫入試験結果の適用と課題について、動画等を用いながら基本的な事項から地盤調査の専門的な内容まで丁寧に説明いただきました。
山梨大学大学院 准教授 後藤 聡 先生から「小型宇宙線ミュオン検出器を用いた地盤構造物の非破壊探査技術」というテーマでご講演いただきました。宇宙線ミュオンを用いた物質の密度測定に関して、ミュオン検出器を小型にするメリットとその研究成果について最新情報の説明がありました。
質疑応答の時間や講演会終了後も、結果の解釈を実務に用いる際の注意点や、新技術の地下構造物への適用の可能性など、活発な議論があり、地盤工学の重要性を再認識された参加者が多くいらっしゃったように感じました。
最後に、本講演会が将来的な地盤工学技術者への興味の涵養、現役の技術者のスキルアップおよび新たな技術開発への意欲を促し、これらの技術の発展と意識の改革によって地盤工学技術者の地位向上の一助になることを願います。
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