関東支部20周年記念 「第17回ソイルストラクチャーコンテスト」
-仲間とチャレンジ!激しい揺れから建物を守れ!-【液状化対策工】開催報告

関東支部 会員サービスグループ
幹事 ・藤原 覚太(東海大学) 
島村 章吾(応用地質(株)) 

 令和6年12月14日(土)に日本大学理工学部船橋キャンパスにおいて「第17回ソイルストラクチャーコンテスト」を開催いたしました。運営の立場で参加した会員サービスグループの幹事が報告いたします。
昨年から引き続き、液状化対策を題材としたコンテストが行われました。地盤工学会関東支部20周年ということもあり、記念すべき大会でした。模型住宅を緩い地盤において、加振に伴う液状化に対して、住宅の沈下が最も小さいチームが優勝です。各チームは液状化対策を講じることができ、運営側が選んだ3種類の指定材料から「くじ引き」によって選んだ1点と、100円ショップで購入した材料2点を使用できます。加振をはじめる前に、対策構造に至った着想の経緯をプレゼンテーションで発表し、こちらも点数に加算されます。
 指定材料(ストロー、割り箸、コーンクッション)はあらかじめ告知されているものの、どれになるかは当日までわかりません。チームメンバーの経験値やアドリブが試されるものでしたが、多種多様な使い方でそれぞれ対応していました。持ち込み材料は、まな板、布、芳香剤(!?)に至るまで、様々な材料が持参されました。
 コンテストには、計9チーム(39名)が参加しました(表1)。各チームがそれぞれの特徴を活かした、楽しいネーミングでした。学生チームは(5大学)、社会人チーム(4企業)に加え、大学教員チームR3Jにも参加いただき、今回は特に年齢層の幅が広い大会となりました。東京都市大学は2チームも参加いただき、中には若干2年生の学生もおられました。東海大学は、事前に大会と同サイズのアクリル容器を作製して、繰り返し練習していたようです。チームR3Jも、これまで培った深い研究知識を動員して、模型作製に精を出しました。
 住宅の加振では、一見いずれも優れた工法に見えたものの、実際に加振してみると沈下量は0.7mmから10.8mmとチームにより大きく差が開く結果となりました。住宅が横方向に大きく動いたことで計測範囲を超えてしまい、計測不良となったチームもありました。液状化対策の難しさが際立ちました。
総合1位は基礎地盤コンサルタンツチームで、沈下量0.7mmという驚異の結果となりました。一見すると住宅には沈下が生じていません。地盤調査を専門とされる貫録を発揮されました。総合2位は日本大学で、総合3位は東京都市大学(地盤研)でした。ともに学生チームで、若々しくユーモアあるプレゼンテーションが加算されたことが奏功しました。上位3チーム以外にも優秀な対策アイデアが数多く見られ、非常に白熱したコンテストになりました。受賞されたみなさん、おめでとうございます。
 最後にコンテストに参加してくださった千葉工業大学、東京都市大学(2チーム)、日本大学、東海大学、上智大学、兼松サステック(株)、基礎地盤コンサルタンツ(株)、(株)不動テトラ、応用地質(株)、太田先生、菊池先生、渡邊先生の皆様には、この場をお借りして感謝を申し上げます。さらに、今回よりスポンサー提供を依頼し、快く対応いただいた6社(応用地質株式会社、川崎地質株式会社、基礎地盤コンサルタンツ株式会社、株式会社ジオデザイン、中央開発株式会社、株式会社不動テトラ)には、心より感謝申し上げます。スポンサー様のおかげもあり、今回は特に豪華景品を提供することができました。参加チームのモチベーションアップにつながれば幸いです。
コンテスト終了後の懇親会では学生、社会人の壁を越えた交流もありました。来年度もより多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。

写真-1 模型作製の様子 写真-2 住宅加振の様子 写真-3 総合優勝の基礎地盤コンサルタンツチーム
  表-1 参加チーム
チーム名
母体団体
千葉工業大学 千葉工業大学
東京都市大学 新緑会 東京都市大学
東京都市大学 地盤研 東京都市大学
日本大学 日本大学
藤原チーム 東海大学・上智大学
兼松サステック 兼松サステック株式会社
基礎地盤コンサルタンツ 基礎地盤コンサルタンツ株式会社
Mt.ソイル 株式会社不動テトラ・応用地質株式会社
チームR3J 太田秀樹先生・菊池喜昭先生・渡邊先生(群馬高専)・青木(事務局)

【スポンサー企業一覧】