「盛土規制法」施行に係る講習会 開催報告

関東支部 群馬県グループ
リーダー幹事 森 友宏(前橋工科大学)

 群馬県グループでは、令和6年11月29日(金)に、「盛土規制法」施行に係る講習会を開催しました。本講習会は、共催団体として群馬県建設技術センターおよび土木学会群馬会、後援団体として群馬県の御協力を得て開催され、民間技術者だけでなく、官公庁職員の参加者を多く集めることを目的として企画されたことが特徴的です。静岡県熱海の伊豆山の土石流災害に端を発して制定された「盛土規制法」が、令和7年5月26日から本格的に運用されることから、土工事に携わる民間技術者だけでなく、制度を運用する側の官公庁職員にも「盛土規制法」の内容を良く知ってもらおうという試みです。講習会の参加者は66名、そのうち官公庁職員の参加者は37名でした。
 講習会の前半では、群馬県 県土整備部 建築課の小山 雅史 氏、近藤 悠樹 氏に「盛土規制法」の法制度の概要や、群馬県内における法律の適用範囲、土工事に関する基本的な考え方、必要となる事務手続きや帳票類の説明等を行っていただきました。質疑応答では、参加者から「盛土規制法」の本格運用まで(残り約6か月)に特に準備しておくべき事項や、取得しておくべき資格に関する質問が出ました。また、参加者は「盛土規制法」の運用に伴って発注が予定される新規業務に関しても興味があるようでした。
 講習会の後半では、群馬大学大学院理工学府 教授 若井 明彦 先生に「盛土規制法」の本質的な意義について御講演をいただきました。法律がつくられる段階での裏話(苦労話)、条文に込められた想い・思想などを交えながら御説明をいただいたことで、無機質な法律の条文がにわかに体温を帯び、より身近な法律として頭に入ってきたように感じました。
 講習会のまとめとして、「盛土規制法」を実効性のあるものとするためには、違法盛土が大規模に築造される前に発見・対処できるような監視・指導制度が必要であること、地盤工学に関する知識の浅い業者に対する啓発活動が重要であることが、参加者に共有されました。
 最後に、本講習会の開催にあたり広報活動に御尽力いただいた、共催団体の群馬県建設技術センターおよび土木学会群馬会、後援団体の群馬県に深く御礼申し上げます。

写真-1 講習会の様子 写真-2 若井先生による講演の様子