「上信越道の落石リスク除去工事
およびリニューアルテクノセンター見学会」 開催報告

関東支部 群馬県グループ
商議員・土倉 泰(前橋工科大学)

 2024年11月12日(火)新前橋駅東口から中型バスをつかって12時に出発し17時に戻る行程、17名参加で、‘北野牧’と検索すればすぐこれかとわかるNEXCO東日本長野工事事務所の大規模工事現場を見学してきました。場所は群馬県安中市、大林組が施工しています。本見学会は、土木学会群馬会と地盤工学会関東支部群馬県グループとの共同開催という位置づけで企画、実施されたものです。2023年11月にも同じ現場の見学会を両者共催で行い、好評だったので再開催となりました。山のなかを現場に向かうときにつかうモノレールの定員の関係で、先方から指定があり参加人数は少なめに設定されました。 
 上信越自動車道の北野牧トンネル西坑口で進められている、落石リスク除去工事です。70メートルのそそり立つ火山岩が対象で、安山岩質凝灰角礫岩を高速道路上に落とさないよう砕いて撤去しています。メディア(NHK解体キングダム)で取り上げられたために、多くの視察申し込みがあり、かなり受け入れていて毎日見学者が来ていると伺いました。当日は、早めに現場事務所に到着しましたので、上記番組の録画をはじめの部分だけでしたが大きなスクリーンでみせていただきました。
 1年前の見学会のときから30メートルくらいは岩塊除去が進んだようで、高くそびえていた足場が大分低くなっていたことと、てっぺんで動いている重機が増えていたことが印象に残りました。前年みた重機は3台でしたが、掘削面の広くなった今回は相当な数の重機が目に入りました。砕いた岩塊をダンプトラックに積み込み、そのダンプトラックをインクラインで降ろして運搬路となっている仮桟橋から岩の搬出をしています。残念ながら見学場所から壮大なスケールで設置された仮桟橋を眺めることはかないませんでしたが、けたたましい警報音楽の響くなかで台車に載ったトラック2台がインクラインにより下っていく様子をタイミングよく見学できました。
 案内してくださった工事事務所の方のお話しによれば、通行止めにせずに24時間体制でこんな工事をするなんてクレージーだと外国人見学者は口にするそうです。工事は2029年まで続く予定です。

写真-1 巨大な岩を囲む高さ30mほどの足場 写真-2 岩のてっぺんで進行する撤去工事