「ジオ散歩~生田緑地の自然と川崎の自然を巡る~」 開催報告

関東支部 会員サービスグループ
幹 事・内田 翔太((株)不動テトラ)

 会員サービスグループでは、歩きながら、見て、知って、学ぶ企画「ジオ散歩」を開催しています。第5回となる今回は、去る2024年6月1日に「ジオ散歩~生田緑地~」と題し川崎市多摩区の生田緑地をフィールドとして開催しました。前日まで天気は予断を許しませんでしたが当日は好天に恵まれ、8名の参加者とグループ幹事6名に加え箱根ジオパークの笠間様を講師にお招きし、計15名で生田緑地の地層露頭の観察を行いました。観察に当たっては笠間様より一般的な地質に関する説明に加え生田緑地の地層の成り立ちや特徴、観察のポイント等を黒板も交えて大変丁寧にご説明いただきました。
 今回は、生田緑地で発行されているマップを基に地層露頭が観察できるコースを設定しました。生田緑地では、火山噴火や海面の上昇や低下などにより形成された地層露頭が観察できます。具体的には約130万年前に海底に堆積した上総層群飯室層、約30万年前に河口や浅海域に堆積した相模層群おし沼砂礫層や多摩ローム層が確認でき、地層が形成される過程について知ることができました。また、地層内の生痕化石(地層が形成された時代に生物が棲息していた痕跡)や地層の不整合(地層と地層の間における長い空白期間、ここでは飯室層の上におし沼砂礫層が堆積した場所がある)も観察することができました。散策では生田緑地の自然や緑地内の展望台からの景色も望むことができた他、緑地内にあるかわさき宙と緑の科学館にて地層タワーやボーリングコアの観察により地層についての理解を深めることができました。
 散歩を終え、参加者の方々からは、「露頭の見方について参考になった」、「東京の地盤や地層の成り立ちについて理解が深まった」、「起源などの説明が加わることでより一層の興味が湧いた」などの声が寄せられました。多くの皆様にご協力をいただくと共に、特に箱根ジオパークの笠間様には事前の下見や当日の講義などの多大なご協力により充実した内容とすることができました。紙面を借りまして厚く御礼申し上げます。

   写真-1 桝形山での露頭観察      写真-2 集合写真