関東大震災100周年特別企画「関東大震災の地盤災害について」開催報告

関東支部 関東支部20周年・関東大震災100周年WG
副幹事長・金田 一広(千葉工業大学)

 地盤工学会関東支部では毎年、地盤工学会関東支部発表会で特別講演を実施している。本年は関東大震災から100年ということもあって、この特別講演で「関東大震災の地盤災害について」と題してパネルディスカッションを実施した。開催日時はGeoKanto2023と同じ2023年11月22日(水曜日)の一般セッションが終了した16時から17時30分で、定員160人のホールで行い参加人数は150人であった。講演は東畑支部長の趣旨説明から始まり、次の3名の講師の方から話題提供があった。
講演1:「関東地震による液状化被害」 講師:若松 加寿江氏(関東学院大学 工学総合研究所)
講演2:「関東地震(1923)による土砂災害の概要とO. M. Pooleの逃避行と復旧・復興に果たした神戸の役割 」
講師:井上 公夫 氏(一般財団法人砂防フロンティア整備推進機構)
講演3:「地盤情報を活用した気候変動が地盤災害リスクに与える影響の研究委員会について」 講師:王寺委員長(中央開発(株))
 関東大震災のシンポジウムは他学会を含め多く開催されているが、本講演会では地盤工学、地盤災害に着目したものであった。100年前の地震にも液状化の被害の痕跡があったことや、各所で見られた土砂災害について多くの写真や史実の記録を丁寧にご講演いただいた。また、この震災の経験を今後どのように生かしていくかなど今後の地盤工学の研究や開発に向けたご講演もあった。本来はパネルディスカッションという形をとって、最後にパネラーや会場の参加者から意見を頂く時間を設ける予定あったが、講師の先生方がとても丁寧にご説明いただき、時間的な制約からご講演のみで終了となった。対面の講演会も徐々に増えてきている中、この特別講演会も多くの方にご参加いただけた。本特別講演会は無料で一般の会員にも参加いただけるようにしたこともあって、研究発表会に参加していた参加やのみならず講演会から参加される方も多くいた。今後も魅力的な講演会をはじめ、地盤工学会の会員のニーズにこたえられるような企画を実施していきたいと考えている。

写真-1 講演の様子 写真-2 講演の様子