第16回ソイルストラクチャーコンテスト 開催報告

関東支部 会員サービスグループ
幹事・目黒 大三(兼松サステック(株)) 
島村 章吾(応用地質(株)) 
荒木 大空(日本大学) 
田崎 翔(東京都市大学)

 令和5年10月21日(土)に日本大学理工学部船橋キャンパスにおいて「第16回ソイルストラクチャーコンテスト」を開催いたしました。運営の立場で参加した会員サービスグループの幹事が報告いたします。
第11回から7年ぶりとなる液状化対策を題材としたコンテストが行われました。用意された地盤材料(6号珪砂)に対して各チームが100円ショップで購入した材料2点と、運営側が選んだ3種類の指定材料から「くじ引き」によって選んだ1点を使用して液状化対策を施した模型地盤を作製し、地震を模擬した加振を3段階で与えて対策効果(加振後の変位量)とプレゼンテーションの2点を競いました。
 今大会は計10チーム(うち社会人3チーム)、50人によって行われました。指定材料はあらかじめ告知されているもののどれになるかは当日までわからないというチームの経験値やアドリブの思考力が試されるものでしたが、多種多様な使い方でそれぞれ対応していました。持ち込みの対策材料はストローやクリアファイル、竹串などをはじめハチミツ、針金やマスキングテープなど様々な材料が用いられました。対策工法は格子状の構造物を埋設してせん断変形を抑制するチーム、流動状の材料を砂に配合して浸透固化を期待するチーム、その他ユニークな発想の対策法もみられどのチームも真剣に対策工法を練っていました。対策材料の体積検査になかなか通らないなど多少のアクシデントがありましたが、どのチームも臨機応変に対応されていました。
 本コンテストは住宅模型の変位量による液状化対策効果と、参加者の投票によるプレゼンテーションの得点から優秀対策賞、優秀プレゼン賞および総合得点の上位3位までの表彰を行いました。液状化対策効果ではどのチームも変位量がわずかであり、稀にみる大接戦となりました。その中でも千葉工業大学チームは総変位量0.6mmという驚異の結果をおさめ、液状化対策効果部門で優勝、総合2位に輝きました。プレゼンテーション部門では東京都市大学Aチームが明るくわかりやすい説明で多くの票を集め優勝、総合でも3位となりました。そして液状化対策部門、プレゼンテーション部門でそれぞれ2位の得点を獲得した関東学院大学修士チームが総合優勝に輝きました。上位3チーム以外にも優秀な対策アイデアが数多く見られ非常に白熱したコンテストになりました。受賞されたみなさん、おめでとうございます。
 最後にコンテストに参加してくださった関東学院大学、関東学院大学修士、東京都市大学、日本大学、千葉工業大学、東海大学、基礎地盤コンサルタンツ(株)、(株)不動テトラ、兼松サステック(株)の皆様にこの場をお借りして感謝を申し上げます。本コンテストは多くの大学と社会人の方々に参加していただけたため今年度も大変盛り上がりました。今年で4度目の開催となる液状化対策ですが、指定材料があることで各チームがそれをどう活かすか工夫を凝らすコンテストになったと思います。コンテスト終了後の懇親会では学生、社会人の壁を越えた交流もありました。来年度もより多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。

写真-1 模型地盤作製状況 写真-2 プレゼンテーションの様子 写真-3 総合優勝の関東学院大学修士チーム