令和4年11月25日に、『~昭和・平成を駆け抜けたベテランが令和に語り継ぐ~ 第3回 ジオテク語りべ会』を開催いたしました。本企画は、多くの知識と経験を持った先輩方から今後地盤工学会を支える若い世代に、その経験・知見を語り継いでいただこうという趣旨で2019年度より実施しており、今回で4回目の開催となりました。
今回は、東京大学・東京理科大学名誉教授の龍岡文夫先生を講師にお迎えし、『私の地盤工学神話-遭遇・克服・対案-』と題して、地盤工学の様々な課題ついてお話いただきました。龍岡先生のご講演の前には、講師紹介として、先生の人となりを良く知る中央大学教授・平川大貴先生より先生の略歴や研究に対する姿勢などを紹介していただきました。
龍岡先生のご講演は、地盤工学にある課題を神話に見立てて進みました。一軸圧縮試験の問題点から始まり、動的・静的試験で求めた弾性変形特性の解釈の変遷、実際の土のせん断挙動(ひずみ軟化)の設計での考慮の方法、セメント改良土の設計の方法、空気間隙率管理の正しい運用方法など、非常に盛り沢山な内容でお話しいただきました。この他にも、時間がとても足りないくらい、多くの興味深いお話を紹介していただきました。
今回の語りべ会は、Geo-Kantoの2日目に特別セッションとしてSpatial Chatによるオンライン形式で開催し、当日はGeo-Kanto参加者を含め、100名近くの方にご参加いただきました。参加者の皆様からの質疑応答も活発に行われ、好評のうちに講演が終了しました。
本講演会の最後には、平川先生より盛土・締固めのシンポジウムの紹介がなされました。現在はオンライン開催が主流になり、今まで参加しにくかった方にも参加していただけることは非常に良いことだと感じておりますが、今回のような有意義なお話を直接伺える機会が減っているため、コロナ禍が落ち着き、対面で開催できるようになることを願っております。 |