~昭和・平成を駆け抜けたベテランが令和に語り継ぐ~
第3回 ジオテク語りべ会 開催報告

関東支部 会員サービスグループ
幹事・小林 優起
幹事・荒井 郁岳
幹事・山口 恵美
学生幹事・荒木 大空

 令和4年7月6日に、『~昭和・平成を駆け抜けたベテランが令和に語り継ぐ~ 第3回 ジオテク語りべ会』を開催いたしました。本企画は、多くの知識と経験を持った先輩方から今後地盤工学会を支える若い世代に、その経験・知見を語り継いでいただこうという趣旨で2019年度より実施しており、今回で3回目の開催となりました。
 今回は、中央大学名誉教授の國生剛治先生を講師にお迎えし、これまでの研究人生において「研究者なら人とは違うことをやりたい!」との思いで独自の視点で進めてこられた研究と到達点についてお話いただきました。國生先生のご講演の前には、講師紹介として、先生の最後の学生でいらっしゃった鹿島建設(株)・笹岡里衣様より先生の略歴や研究室での様子などを紹介していただきました。
 國生先生のご講演は、電力中央研究所在籍期間に実施された、せん断土槽による液状化実験(おそらく当時世界初)、原子力発電所の立地拡大に向けた砂礫の凍結サンプリング・三軸試験や、良配合砂礫におけるN値-相対密度の関係式等の算出についてのお話から始まり、大学へ移動後の砂礫地盤の液状化強度や、細粒分が液状化強度に与える影響、造成緩斜面盛土の液状化メカニズムの解明、エネルギーによる液状化評価法の開発に関するお話、最後には再生可能エネルギー開発として「低緯度太平洋メガソーラー帆走筏プロジェクト」に関するお話と、非常に盛り沢山な内容でお話しいただきました。この他にも、今回だけでは時間がとても足りないくらい、多くの興味深いお話を紹介していただきました。
 今回の語りべ会は、第2回に引き続きZoomによるオンライン形式で開催し、当日は関東以外の方や非会員の方も含め、約100名の方にご参加いただきました。参加者の皆様からは、國生先生のお話が分かりやすかった、先生の研究視点や発想のポイントが聞けて勉強になった、など好評を頂きました。
 本講演会の最後には、関東支部長の東京理科大学・菊池喜昭先生よりご挨拶を頂きました。その中でもお話がありましたが、オンライン開催により、特に遠方の方にも参加していただけることは非常に良いことだと感じております。一方で、今回のような非常に刺激になるお話を直接伺える機会が減っているため、早くコロナ禍が落ち着き、対面で開催できるようになることを心より願っております。

写真-1 國生先生ご講演の様子 写真-2 講師紹介のひとこま