「既存杭の撤去・埋戻し方法とその影響を受ける新設杭の設計・施工」
新設杭に干渉する既存杭の撤去に関する研究委員会報告会

関東支部 新設杭に干渉する既存杭の撤去に関する研究委員会
幹事 青木 雅路((株)竹中工務店)

 近年、旧構造物を撤去した後に新設構造物を施工するケースが増加しています。旧構造物の杭(既存杭)が新設する杭の施工やその性能に影響を及ぼすと考えられる場合、既存杭を撤去・埋戻しを行い新設杭の施工を行います。ところが、埋戻し部は、その周囲の原地盤と均一にはならず、新設杭の施工において偏心や傾斜などのトラブルに繋がることがあります。既存杭の撤去による地盤への影響が新設杭施工時のトラブルの主要な原因となっているにもかかわらず、その撤去と埋戻し方法については、明確な規定や指針類がなく、各事業者が独自に対処を行っているのが現状です。
 本研究委員会(委員長:桑原文夫)では、現状の既存杭撤去・埋戻し方法、その埋戻し部の調査事例、新設杭施工時のトラブルとその対策事例について調査を行い、撤去・埋戻し方法と新設杭の設計・施工に関する留意事項としてまとめました。委員会報告は、書籍として発刊されました。
 本報告会は、委員会報告として下記の日時・方法・プログラムで行われ(写真-1,写真-2参照)、多数の参加者があったことからも本課題への関心は高いと思われます。本書籍は本課題の参考書として十分役立つものと考えますが、更なる研究と成果の現業への展開が望まれると考えています。
 ・開催日時:2022年6月30日13:00~16:50
 ・開催場所:Zoomウェビナーによるオンラインリアルタイム動画配信
      (講師は、地盤工学学会地下大会議室に集まって、大会議室から発信)
 ・参加人数:259名
 ・プログラムと講師:司会 森 利弘(熊谷組)

【プログラム】
13:00-13:10  主旨説明  桑原文夫委員長(パイルフォーラム)
13:10-13:40  委員会の活動概要  青木雅路 幹事(竹中工務店)
13:40-14:00  既存杭の撤去埋戻し地盤に関する調査  原 智紀 委員(西松建設)
14:00-14:40  既存杭撤去・埋戻し方法  三反畑勇 委員(安藤ハザマ)
14:40-14:50  休 憩
14:50-15:30  既存杭撤去後の埋戻し地盤の特性  古垣内靖 委員(東急建設)
15:30-16:00  既存杭撤去孔に近接する新設杭の施工(既製コンクリート杭)  細田光美 委員(ジャパンパイル)
16:00-16:30  既存杭撤去孔に近接する新設杭の施工(場所打ちコンクリート杭)  宮本和徹 委員(東洋テクノ)
16:30-16:50  既存杭撤去孔に近接する新設杭の設計  小林治男 委員(大成建設)
  写真-1 主旨説明をする桑原委員長  写真-2 委員会活動概要を説明する青木幹事