~2019年度 昭和・平成を駆け抜けたベテランが令和に語り継ぐ~
「ジオテク語りべ会」行事報告

主催:地盤工学会関東支部会員サービスグループ
【日 時】
 2019年11月27日(水) 15:00~16:50
【会 場】
 地盤工学会 地下大会議室(東京都文京区千石4-38-2)
【講 師】
 石原研而先生(中央大学 研究開発機構 教授)
【講演内容】
 講演題目「液状化―研究と応用の発展―」
 -第1部- 揺籃期-発展期
 新潟地震から阪神淡路大震災まで
  ・室内試験と原位置試験
  ・変形構成則と有効応力解析
  ・液状化の基準と対策工法の発展
 -第2部-
 阪神淡路大震災から東日本大震災を経て現在まで
  ・液状化による側方変位,流動,地すべり
  ・地中・地下構造物との相互作用
  ・公共構造物から個人財産へ
  ・小型対策工法の開発

関東支部 会員サービスグループ
幹事   山口 恵美
幹事  石井 亜希子
学生幹事   小林 綾乃

 2019年11月27日に地盤工学会地下大会議室にて、~昭和・平成を駆け抜けたベテランが令和に語り継ぐ~「ジオテク語りべ会」が開催されました。この企画は、会員交流の一環として催したもので、今回が第1回目です。記念すべき第1回目は講師に石原研而先生をお迎えして、「地盤の液状化」についてご講演いただきました。
 当日は81人の方に参加していただき、地下の大会議室は希に見る満席状態となりました。
 はじめに、この企画の立案者でもあり、石原先生のお弟子さんでもある安田支部長より挨拶があり、現地調査に行くといつの間にか石原先生がいなくなり、探すと高台などでスケッチをされるのが毎度のことというお話しから会がはじまりました。
 石原先生の講演は、戦後から現在に至るまでの代表的な地震と被害を年表でまとめられ、その年表に沿って液状化に関する研究の変遷をお話しいただきました。そのお話しの中には研究に携わってきた人たちとの思い出やエピソードの他、日本とアメリカでの研究の攻防戦についても語っており、改めて現代の日本における液状化研究の体系を知ることが出来るような内容でした。また、液状化対策や地盤調査法など、様々な地盤工学の発展に関わる内容もお話しいただき、約2時間の講演時間もあっという間で時間が足りないくらいの内容が詰め込まれていました。なお、石原先生はこの公演中はずっと立ってお話しされており、80歳を超えているとは思えない体力とバイタリティーには多くの方が感心したことと思います。
 講演終了後は40分という短時間ではありましたが、お菓子とソフトドリンクを頂きながら石原先生を囲んでざっくばらんにお話しをする時間を設けました。車座になって端から自己紹介と合わせて石原先生と会話をしいきました。参加された方は石原先生と古くからの知り合いの方もいれば、初めてお話しするためか緊張している様子の方もいましたが、終始和やかな雰囲気でおこなわれました。
 このジオテク語りべ会は、シリーズとして今後も開催予定です。多くの皆様にご参加いただき、世代を超えた会員同士の交流の場となることを願い、これからも企画していきたいと思います。

写真-1 石原先生ご講演の様子

写真-2 講演後に行われた石原先生を囲む会