平成関東支部埼玉県グループでは、埼玉県の山地・台地・平地といった多彩な地形を工学的な観点や防災面、そして、歴史的な側面も踏まえながら見て歩く企画として、平成30年12月8日(土)に行田市周辺での野外巡検を開催しました。
快晴で爽やかな空の下、講師の先生と引率の埼玉県グループメンバーを含めた22名が、約10 kmのコースを巡りながら、随時、講師の上野将司様(応用地質株式会社技術本部社友)から説明をいただきました。一行はJR行田駅を出発し、はじめに、荒川堤防決壊碑(昭和22年9月カスリーン台風による堤防決壊)とスーパー堤防を見学しました。続いて、JR北鴻巣駅まで電車で移動し、そこから武蔵水路沿いに2 km程度歩いて元荒川と忍川の合流点まで行き、武蔵水路の立体交差についての説明を受けました。それから、約1 kmを歩き、石田堤史跡公園に到着しました。石田堤は全長28 kmあり、わずか1週間で作り上げられたこと、そして、自然堤防や微高地などの地形を巧みに利用して作られたことなどが説明されました。その後、さきたま古墳群に至る道中で、昼食休憩を取りました。その際、午後に見学に行く忍城の水攻めについて、周辺の地形的な観点も交えて、失敗に終わった原因などの解説をいただきました。最後に、さきたま古墳群の見学、忍城近くの水城公園にて休憩を経て、忍城に到着しました。巡検は、秩父鉄道の行田市駅にて終了し、一行は解散しました。
参加いただいた方々からは、たくさんのご質問をいただき、また、今回の行事について好評の声もいただき、盛況のうちに巡検を終えることができました。埼玉県グループの野外巡検は、平成24年および25年、29年に開催して以来4回目となりますが、東西に多様な地形を有し、様々な地盤・地質を有する埼玉県の魅力を伝えるために、今後もこのような企画を続けていきたいと考えています。
末筆になりますが、この行事の企画から当日の案内までご協力をいただきました上野将司様に厚くお礼を申し上げます。 |