地盤工学会関東支部群馬県グループは、平成30年1月23日(火)に群馬県が施工する上信自動車道金井バイパス工区で地盤改良工事の現場見学会を開催しました。前日の関東地方は厳しい寒波と大雪に見舞われましたが、当日は穏やかな天気となり県内外から産学官合わせて34名の参加がありました。
今回の現場見学会では、理解を深めるため事前に座学を実施し、上信自動車道の概要と地盤改良工法(深層混合処理工法)の施工技術(設計・施工管理・品質管理)について説明していただきました。
上信自動車道の概要は渋川土木事務所の石坂様と土井様が担当され「群馬県渋川市の関越自動車道・渋川伊香保IC付近から長野県東御市の上信越自動車道・東部湯の丸ICを結ぶ延長約80km(群馬県65km、長野県15km)の地域高規格道路であり、群馬県の幹線道路ネットワークを形成する上で重要度が高く、地域活性化支援に大きな貢献が期待されている。」と説明していただきその重要性が理解できました。
地盤改良工法の施工技術は、施工中の深層混合処理「エポコラム工法」を小野田ケミコ㈱の松井部長様から、そのメカニズムや特長などについて施工事例の紹介を交えながら説明していただきました。
この工法には、撹拌混合機能を向上させる独特の機構が導入されており、様々な地盤や現場条件にも対応できるよう絶えず改良が続けられており、技術開発力の高さと技術継続の大切さを感じました。
座学終了後はバスで現場に移動し、最初に、施工会社である瑞穂建設㈱の高山所長様から工事内容と施工状況について説明していただき、その後、小野田ケミコ㈱の現場担当者から施工管理システムやICTを活用した出来形管理システム、プラント設備、地質状況などについて説明をしていただきました。
現場では、地盤改良機の地盤への貫入・撹拌混合・引抜きまでの一連の施工サイクルを実機械の稼働状況をみながら説明していただきました。また、地盤改良機の施工品質が確認できるように、改良体の出来形とコアの展示もなされており、改良体は先端まで均一に改良されていることがわかりました。
参加者からは、「40年前には考えられなかった技術。目に見えない地盤の中であってもこの様な管理システムがあれば、この様に確実に施工できるのか!」と驚きの声もありました。深層混合処理工法は群馬県内であれば何処でも施工されるというものではなく、限られた地域でしか施工されていません。
その様な意味においても、意義のある現場見学会になったのではないかと思っています。
結びに、今回の企画は、技術講習と現場施工が同時に体験できるものであり、関係の方々のご理解とご協力、ご尽力がなければ実現することはできませんでした。群馬県渋川土木事務所、群馬県建設技術センター、瑞穂建設㈱、小野田ケミコ㈱の皆様方に、この場をお借りして厚くお礼を申し上げます。
地盤工学会関東支部群馬県グループは、地盤工学の技術を広め、安全で安心な社会資本の整備に貢献したいと考えており、今後も様々な催しを企画しますので、皆様のご参加とご支援をお願いします。
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