「大いなる神奈川の地盤 ~その生い立ちと街づくり~」
野外巡検「箱根火山起源の地質(テフラ)と神奈川県西部の地形」開催報告

関東支部 神奈川県グループ

 平成22年10月に出版しました「大いなる神奈川の地盤 ~その生い立ちと街づくり~」を体感する企画として,11月12日(土)に野外巡検「箱根火山起源の地質(テフラ)と神奈川県西部の地形」を開催しました。今回は,神奈川県立生命の星・地球博物館の笠間友博様を講師にお迎えし,箱根火山起源の地質や大磯丘陵周辺の地形を観察しました。
 当日は大磯駅からバスに乗車し,午前中はひとつ前の海進堆積物が残る露頭や,海進によって形成された海成段丘(波食台)が隆起した地形,湘南平から見える三浦半島・江の島・下末吉面・多摩丘陵・丹沢山地・箱根火山など,周辺に広がる地形について観察しました。高麗山公園で昼食をとった後,午後は箱根火山・富士山起源のテフラが観察できる露頭や,国府津-松田断層などの地形・地質を観察しました。
 各見学箇所では,参加者の方から多数の質疑が寄せられ,講師との活発な議論が交わされるなど,参加された皆様の地形や地質に関する関心の高さが伺えました。また,当日は天気にも恵まれ,解散時には次回開催を期待する声を多数お寄せいただくなど,盛況のうちに終えることが出来ました。
 今年で神奈川県グループによる野外巡検も6回目となり、申し込み開始から数日で定員に達するほどの人気企画となりました。引き続き,「大いなる神奈川の地盤」を直接学ぶ機会を提供して参りたいと思います。

 

写真-1 海進堆積物の観察状況(平塚市粟久保にて)

 

写真-2 参加者・講師の集合写真(きらめきの丘おおいの保存露頭前にて)