昨年より会員サービスグループでは,歩きながら,見て,知って,学ぶ企画「ジオ散歩」を開催しています。第2回となる今回は「ジオ散歩 ~江東デルタの水路と史跡~」と題して,東京の江東区をフィールドに開催しました。当日は19名の参加者の皆さんと秋晴れの爽やかな東京を散歩し,盛況のうちに終えることができました。
今回は,猿江恩賜公園をスタート地点に,小名木川などの川沿いを歩き,扇橋閘門や住吉公園を経由して,門前仲町駅まで歩く約7kmのルートを設定しました。さらに,中川船番所資料館の久染様と東京都建設局江東治水事務所の加藤様をお招きし,江戸時代から続く水運の歴史や,街を水害から守るための土木施設についてご説明いただきました。
散歩した小名木川や仙台堀川は,江戸時代に整備された水路であり,関東地方東部や東北地方から米や塩などの物資の運搬するための運河として活用されました。近代に入り,江東デルタ地帯が地盤沈下したことが原因で水害が多発したため,現在では対策として河川の水位が潮位よりも低く保たれています。小名木川の扇橋閘門は,水位差のある水路に船を通すための施設であり,当日はその施設内部を見学させていただきました。昭和の頃,周辺地域は工場が多く立地し,扇橋閘門を通行する船の多くは工場への資材運搬を目的としていたそうです。その後,周辺地域が工業地から住宅地へと変化するなかで,近年では観光船などの通行が増えているそうで,河川の利用方法が時代とともに変化していることを実感しました。
散歩を終え,参加者の方々からは「新たな視点を得ることができた」,「来年も,また別の地域を散歩してみたい」等の声が寄せられました。多くの皆様にご協力いただくとともに,特に久染様と加藤様の多大なご協力により,充実した内容とすることがきました。紙面を借りまして厚く御礼申し上げます。 |