「地盤改良工事現場見学会」の開催報告

関東支部 群馬県グループ
幹事 久保田佳幸(佐田建設(株))

 本現場見学会は、平成27年8月24日(月)の13:00~17:00に開催されました。今回のテーマは「液状化を防ぎ地震に強い道路を創る地盤改良」であり、県内・外から49名もの参加者がありました。
 今回の見学会では、事前に学習した上で施工現場を見学すれば、より一層に理解も深まるものと考え、現場見学の前に地盤改良工法の講習会を企画し、地盤改良工事の専門会社にご講演を依頼しました。
 最初の講演では、国土交通省関東地方整備局高崎河川国道事務所の榎本建設監督官様より、工事現場である国道17号上武道路の概要と役割、本地域の生命線となる上武道路でも大規模地震の備えとして地盤改良工事が積極的に進められていることを説明していただきました。
 続いての講演では、実際に地盤改良工事を施工している不動テトラ㈱伊藤様と小野田ケミコ㈱松岡様より「CI-CMC工法」と「エポコラム工法」について、各工法の概要と特長を施工事例で紹介しながら詳しく説明していただきました。各工法には独自技術が導入されており、技術の幅の広さと奥の深さを感じました。また、いろいろな地盤・現場条件に対応し、騒音・振動、地中埋設物及び周辺変位抑制などの制約条件にも配慮した技術開発には、技術レベルの高さと技術屋魂のすばらしさを感じました。
 講習会終了後は現場にて、施工会社である河本工業㈱の福地所長様から、工事内容と施工状況について説明していただきました。現地の地盤には転石が混入しており、転石の粒径によって工法も選定していることを聞き、設計・計画段階での現地地盤調査の重要性も改めて実感しました。
 施工箇所では、最初の位置決めから地盤への貫入・撹拌混合までの施工サイクルを実機稼働状況で説明していただき、実際の地盤改良工事が見て理解できました。また、地盤改良機の施工管理システム機器の使用、情報化施工技術を活用した出来形管理システム導入、品質確認(強度・均一性等)のための実施工改良体コアの展示など、現場の至れり尽くせりのご対応には頭が下がる思いでした。
 今回の現場見学会は、高崎河川国道事務所、河本工業㈱、不動テトラ㈱、小野田ケミコ㈱様からご支援とご協力をいただき、無事に終了することができて、関係者一同大変うれしく思っております。
 今回の企画は、土木技術の学習と実際の現場施工が同時に体験できるものであり、実際に現場を管理・施工される方々のご支援とご協力がなければ、実現することはできませんでした。地盤工学会関東支部群馬県グループは、今後も多くの方々のご支援とご協力をいただき、地域に貢献できる講習会や現場見学会等の活動を積極的に開催したいと思いますので、よろしくお願い致します。

写真-1 現場での工事説明 写真-2 地盤改良機の説明