1.はじめに
平成24年8月21日(火)に、地盤工学会地下大会議室において、関東地域の火山由来地盤の災害事例研究と地域特性に関する研究委員会主催で「関東地域の火山由来地盤の災害事例研究と地域特性に関するシンポジウム」が開催されました。全国から56名(正会員47名、学生会員2名、非会員7名)の方に参加して頂き、大盛況のうちに無事終えることができました。
シンポジウムでは、冒頭に委員長(若井明彦群馬大学教授)から開会の挨拶があり、その後、委員会報告(村上幹事、井上主査、宇高主査)、さらに一般公募論文からの論文発表が行われました。一般公募論文からの発表においては、会場から活発に質疑応答が行われました。
2.シンポジウムプログラム
日時 平成24年8月21日(火) 開催場所:地盤工学会大会議室
13:00~13:05 開会
13:05~13:50 委員会報告
14:00~15:10 一般セッション1座長:宇高薫(応用地質)
A:物性
1)富士山由来の火山噴出物の物理・力学特性とその強度特性に基づく崩壊斜面跡地の逆解析事例
○河村直明(東京電力)、佐藤博、大矢孝、大木正、高橋秀明
2)栃木県内の火山由来石材とその採石場跡地の安全性について
○清木隆文(宇都宮大学)、井上達也、高葉悠、島田大輔
3)古い交通盛土から採取した締固められたロームの力学特性
○桑野二郎(埼玉大学)、Younus Ali、日下寛彦、丹内政廣
B:設計・施工
4)関東ロームを用いた高盛土における圧密促進層の設計
○宮田喜壽(防衛大学校)
5)愛鷹ロームによる高速道路盛土の施工
○日下寛彦(株式会社高速道路総合技術研究所)、藤岡一頼、中村洋丈
6)関東ローム層を固化改良した地盤の摩擦特性 -L型擁壁の滑動安定性-
○小原隆志(鹿島建設)、岡本道孝、赤坂直人、村上武志
7)のり面保護工への火山由来土壌活用技術
○堀江直樹(日特建設)、宇次原雅之
15:20~17:00一般セッション2座長:井上公夫(砂防フロンティア),千葉達朗(アジア航測)
C:災害事例(一般)
1)浅間山天明(1783)噴火後の土砂災害
○井上公夫(砂防フロンティア)
2)月山周辺における火山由来地盤で発生した地すべり
○佐藤直行(砂防・地すべり技術センター)、綱木亮介、花岡正明、森屋洋
3)フィリピン・マヨン火山におけるラハール災害とその被害軽減策
○青山翔吾(東京大学)、劉邦安、A.A.Acacio、M.T.Cohulogan、東畑郁生
D:災害事例(地震)
4)地震後の降雨により崩壊した火山性丘陵地の崩壊機構
○池田友浩(栃木県)、東康治、清木隆文
5)岩手・宮城内陸地震により産女川・ドゾウ沢で発生した深層崩壊斜面の地質構造
○横山修(国土防災技術株式会社)、山越隆雄、小川内良人、山崎勉
6)火山灰起源の弱層を有する流れ盤斜面の地震時崩壊事例とその逆解析
○古関潤一(東京大学)、亀谷裕志、Jianliang Deng、宮下千花
7)鋭敏な火山灰質粘性土の軟化特性を考慮した地震地すべりの有限要素シミュレーション
○福島文将(群馬大学)、若井明彦、松下圭佑
E:広域分析(地震)
8)震災時に北関東の風成ローム優勢地域に集中して発生した流動性地すべりの広域分析
○木村尚意(群馬大学)、田畑あすみ、若井明彦
9)栃木県内の風成ローム段丘の分布地域における地震地すべり発生場の予測
○田中成季(群馬大学)、田畑あすみ、若井明彦、林一成、田中頼博
10)東北地方・太平洋沖地震によって白河丘陵で発生した地すべりの発生箇所の特徴について
武士俊也(土木研究所)、○杉本宏之、宇都忠和、本間宏樹
17:00~17:05閉会 |