地盤工学会出前授業「東京都金町浄水場」開催報告

 関東支部 企画総務グループ
埼玉大学地圏科学研究センター 桑野二郎

 東京都金町浄水場において、平成24年3月14日に「東日本大震災に見た地盤災害」と題して講演を行った。これは、東京都金町浄水管理事務所平成23年度第2回安全推進大会の中で職員に話をして欲しいと、地盤工学会関東支部に出前講座の依頼があったものである。出席者は機械・電機などの設備系の職員がほとんどということで、地盤工学の専門的すぎる話ではなく、東日本大震災の主に液状化に関する事例紹介を話のきっかけとして、粒々の集まりである土という材料の特徴についての話や金町浄水場周辺の地形地質条件や液状化履歴についてなど、分かりやすく親しみのもてる話を心掛けた。また浄水場ということで、埋設管に係わる地盤災害について、液状化に関係するものだけでなく、管路の破損に起因する地盤陥没や地盤沈下に関係する問題について紹介した。また、水面の上昇下降により引き起こされる護岸部の土の吸出しによる地盤災害についても紹介した。講演後に若い方からいくつか質問を頂戴した中に、液状化というのは同じ場所で繰り返し起こるのかというものがあった。現在では再液状化は起きうると認識されているとお答えした。その夜に千葉県東方沖で地震が発生したが、銚子で再液状化が起きたとのニュースを見て、ちょっとドキッとした。

写真 桑野先生と寅さん