第6回 学校対抗ソイルストラクチャーコンテスト 開催報告

 関東支部 会員サービスグループ幹事
東京大学 山田 卓

 地盤工学会関東支部では,平成23年12月10日(土)に日本大学船橋校舎にて第6回学校対抗ソイルストラクチャーコンテストを実施しました。平成18年度から主に関東支部の学生会員向けに開催しておりました「ソイルタワーコンテスト」の名称を,昨年度に「ソイルストラクチャーコンテスト」と改め,内容も従来のタワー型のみでなく,様々な種類や形状の構造物を土で作製し,その強度や設計・施工のアイデアを競うものに変更しました。今年度の「ソイルストラクチャーコンテスト」では,土で作る橋(梁)「ソイルブリッジ」を題材として,橋の強度のみではなく,設計・施工の精度を競う内容でコンテストを開催しました。コンテストは,以下の規定にて基づいて実施されました。

①与えられた5種類の地盤材料(砂,砕石,山砂,ローム,粘土)を配合して突固め供試体を作製し,一軸圧縮強度を求める。
②①で得た一軸圧縮強度を用いてソイルブリッジを設計・作製する。
③材料の配合割合を変えて,何度でも一軸圧縮試験を行ってよい。
④ソイルブリッジの設計耐荷重は5kgとする。実耐荷重が5kgを超えた場合は失格(下位の降順される)
⑤地盤材料と機材は運営者より支給される物のみを使用しなければならない。
⑥審査項目は,耐荷重,計算耐荷重(5kg)と実耐荷重の差(実耐荷重は5kg以下でなければならない),プレゼンテーション(設計方法)とし,総得点の高いチームを総合優勝とする。

 今大会へは日本大学,東京大学,東京都市大学から各1チーム,横浜国立大学から3チームの参加がありました。また,正会員に参加を募ったところ,1チームの参加があり,大会を盛り上げてくださいました。さらに,運営担当である会員サービスグループのメンバーで1チーム構成してコンテストにオブサーバーとして参加しました。(表-1)

 各チームとも,配合試料の含水比調整や突固め方法を工夫しながら,独自のアイデアでソイルブリッヂの作製に取り組んでいました。また,事前に準備したソイルブリッヂの設計方法やプレゼンテーション材料を有効に活用しており,コンテストに対する積極的な姿勢が感じ取れました。

 コンテストでは,「ソイルブリッ値(設計耐荷重5kgと実耐荷重の差)」,「ソイルブリッヂの薄さ」および「プレゼンテーション(設計方法)」の各部門の1位がそれぞれ表彰され,日本大学が昨年度に引き続き,今年度のソイルストラクチャーコンテストの総合優勝に輝きました(表-2)。総合2位となった横浜国立大学Cチームは,耐荷重が規定の計算耐荷重5kgに僅かに及ばなかったため大幅な減点となり惜しくも1位の座を逃すなど,今年度のコンテストは例年にない接戦となりました。

 本コンテストの運営に際して,日本大学および東京都市大学の学生の皆さんには多大な協力を賜りました。末筆ではありますが,ここに記して謝意を表します。

                              表-1 参加チーム一覧                 表-2 入賞チーム一覧

日本大学 理工学部 社会交通工学科 地盤工学研究室

総合優勝

日本大学

東京大学工学系研究科社会基盤学専攻 土質・地盤研究室

ソイルブリッ値部門

日本大学

東京都市大学工学部都市工学科地盤環境工学研究室

薄さ部門

横浜国立大学C

横浜国立大学 地盤研究室(A,B,Cの3チーム)

プレゼン部門

日本大学

 

  

            写真-1 日本大学チーム         写真-2 東京大学チーム

            (総合優勝,ソイルブリッ値部門一位,プレゼン部門一位)

  

           写真-3 東京都市大学チーム      写真-4 横浜国立大学Aチーム

  

          写真-5 横浜国立大学Bチーム      写真-6 横浜国立大学Cチーム(薄さ部門一位)

  

          写真-7 社会人チーム            写真-8 会員サービスグループチーム