東毛広域幹線道路跨線橋及び橋梁下部工の現場見学会の実施報告

佐田建設株式会社 久保田 佳幸

 地盤工学会関東支部群馬グループは、平成23年2月23日に東毛広域幹線道路の東武跨線橋と利根川新橋(仮称)で工事現場見学会を開催しました。この見学会には県内・県外より27名の応募があり、当日は24名にご参加をいただきました。
 この東毛広域幹線道路は、群馬県の県土整備部が進める「七つの交通軸構想」の中のひとつであり、群馬県東部を走る国道354号線を主体とした道路整備事業です。今回見学させていただいた両現場は、伊勢崎土木事務所が管理する工区にあり、急ピッチで工事が進められております。
 東武跨線橋は、鉄道近接に配慮したプロポーザル方式で設計が採用されたものであり、インテグラルアバット形式(上・下部構造を一体化し、基礎構造を単列杭として橋軸方向変形に自由度を持たせた構造)で計画されています。
 基礎杭は鉄道への施工影響低減(振動等)、杭単列施工の現場条件及び現地地質構造(Ds、Dg、Dc、最大100mm程度の礫混入)に配慮し、杭径1,200mmの鋼管杭中掘拡大根固め工法(FB9工法)を採用しています。
 現場見学会では、実際に電車が横を通過する状況下で、鋼管杭が地盤に圧入する状況を見学させていただき、振動・騒音がほとんどないことを実感しました。質疑応答では、インテグラルアバット形式や鋼管杭中掘拡大根固め工法に関する質問があり、見学者の珍しい工法に対する興味深さを実感しました。
 利根川新橋(仮称)P4橋脚は、昨年完成したP3橋脚と同様に圧入式オープンケーソン工法で計画されており、従来この地域で採用されていたニューマチックケーソン工法と比較して経済性に優れている工法です。
 現場見学会では、ケーソン躯体沈設途中の止水壁と圧入架台の設置状況を見学させていただき、設備スケールの大きさや河川内築島での施工条件の厳しさ等を実感しました。
 今回の見学会は、普段見ることのできない工法が見学でき、見学者一同には興味深い現場見学会となりました。我々群馬グループは、地域特有の課題に対して見学会や講習会を企画し、地域社会の要請に応える活動を実施しております。今後も、皆様の群馬グループへの、ご指導とご協力をよろしくお願いします。最後に、今回の見学会では、県土整備部道路整備課、伊勢崎土木事務所及び工事施工会社の皆様に、いろいろとご助力を頂きました。厚く御礼を申し上げます。

 
以 上

 

写真―1:東武跨線橋での鋼管杭施工状況


 

写真―2:利根川新橋(仮称)P4橋脚でのケーソン工事状況