特別講演会「東京スカイツリーの構造設計について」
企画総務グループ幹事
関 崇夫(㈱大林組)
平成22年8月24日17時~19時において,地盤工学会地下大会議室にて標記の講演会が開催されました。ご講演は東京スカイツリーの構造設計に携わられています,株式会社 日建設計 構造設計主管の小西厚夫様により行われました。第2回目の開催にもかかわらず当日は78名と多くの方に御参加を頂きました。
ご講演は,世界のタワーから始まり東京スカイツリーの計画の概要,上部構造の耐震・耐風設計,基礎構造の設計を中心に,このような高層のタワーを実現するに際して採用された最先端の技術につてわかり易くご講演いただきました。
特に,東京スカイツリーの中心にはPC造の心柱があり,この心柱は法隆寺など日本古来の五重塔に代表される伝統的木造多層塔にある心柱と異なり,心柱重量を利用した質量付加機構による「心柱制振システム」として採用されていること,また設計に際してスカイツリーに心柱という形態を採用した背景についても説明されました。この他,基礎構造については,地震時や暴風時には大きな転倒モーメントが発生し,基礎には大きな引抜き力となり作用します。この引抜き力に対する抵抗機構として,拡底工法による2段の節付き杭のSRC造連続地中壁杭を採用していることなどが説明されました。
講演終了後,会場から専門的な質問もあり,タワー全体でどのような工夫されているのか関心があったのではないかと思われます。
最後になりましたが,貴重な講演会を実施していただきました小西様に対し深く御礼申し上げます
写真 講演の様子
図 スカイツリーの心柱*当日配布資料より抜粋