地盤工学会創立60周年記念
「我が家を地震と水害から守る」講演会 報告
寄稿 事業部
小林 恒三
平成21年9月5日:13:30〜16:50、東京大学竹田ホール(竹田先端知ビル5F)に於いて、関東支部と事業部の共催(関連6学・協会後援)により、標題講演会が開催されました。参加者は約150名(事前申込み者以外に予約無しの駆け込み参加が相当あり正確な人数は不詳)と大変盛況で、土曜午後の半日、参加者(地盤工学会員、一般市民)と第一線専門家とが熱心に交流・討論しました。(写真-1〜写真6)
写真-1 会場の竹田記念館 写真-2 開会挨拶を行う谷氏
写真-3 トップバッター講演の片山氏 写真-4 二番目講演の小川氏
写真-5 五番目講演の高嶋氏 写真-6 総合討論(司会:安田)
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当日は12時開場と共に早くも数名が来場。12時半過頃には参加者が続く状況となり、5Fロビーに設けた”受付”はその対応に汗だくでした。しかし、その後は混雑も緩和し、会場ホール(定員200名)内は講演開始を待つ参加者で埋め尽くされ(?) ました。(写真-1〜写真6)
冒頭、主催者を代表して谷和夫氏(写真-1)は『防災・減災に地盤工学会は精力的に取り組んでいる』、『本日は第一線の講師から話を聞けるまたとない機会』と挨拶。その後6人の講師が次々に登壇し、各専門分野の最新の知見を巧みな話術、リアルなデータと映像等を駆使し分かり易く紹介されました。
演題1 |
緊急地震速報をどう役立てるか |
片山恒雄【東京電機大学】 |
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演題2 |
液状化し易い場所、揺れ易い場所 | 小川好【東京都】 |
演題3 |
ゲリラ豪雨と洪水 | 山田正【中央大学】 |
演題4 |
住宅・マンションの耐震補強技術 | 河合直人【(独)建築研究所】 |
演題5 |
阪神淡路大震災から学んだ助け合いの大切さ | 高嶋哲夫【作家】 |
演題6 |
地震保険の価値と限界 | 丸楠暢男(のぶお【損害保険料率算出機構】 |
≪総 合 討 論≫ |
安田進 【東京電機大学】 |
最後に総合討論として全講師が再登壇。司会役の安田進氏(写真-6)の促しに応えてフロアー後方で口火が切られると、その後は『都内の超高層ビルの地震時の揺れは?』、『限られた資金での効果的な戸建て住宅の耐震補強は?』等々矢継ぎ早に質問が連続。講師のコメントに対して、再質問する熱心な参加者もいて、予定の30分があっという間に過ぎました。
講演会終了後、参加者から回収されたアンケートには、『ゲリラ豪雨についてもっと聞きたい』、『戸建以外の集合住宅の耐震補強についても聞きたかった』、『講演内容は密であるのに説明時間が不足していた』など、本講演会のタイムリー性、有用性を高く評価する感想、学会に対する強い期待を記したものが目立ちました。今後、本部各部及び支部でこれに応えていくような継続的・持続的な取り組みが望まれるところです。
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謝辞
本講演会に際して、安田副会長にはご多用の中(講演会前日まで土木学会全国大会があり休む間もなく帰京)、総合討論の司会役を始め、準備段階での講師のご紹介、行政各機関及び新聞社への広報の斡旋など多大なご指導ご尽力を戴きました。また、谷先生の鶴の一声で横浜国立大学大学院院生の皆様には無償で会場までの要所の路上案内役を快く引き受けて戴きました。さらに、学会事務局(古藤田さん、青木さん)には講演会場の設備運転、受付、広報活動など多方面でのご尽力を戴きました。実行委員会の一員として本誌面に記してお礼に代えさせて戴きます。
以上