国立環境研究所見学会 報告

関東支部茨城県グループ

 

平成20年12月4日(金)13:00〜17:00、茨城県つくば市の国立環境研究所で見学会を開催しました。関東支部地域活動グループ・茨城県グループでは、恒例の催しとして、県内の研究機関を見学する「研究所めぐり」を企画・運営しています。いばらき建設技術研究会と茨城県地質調査業協会のご協力の下、今回で4回目の開催となりました。

参加者は、研究所めぐり始まって以来最多の55名。環境問題に対するJGS会員の関心の高さが窺えます。以下、見学会の様子をご報告します。

≪見学コース≫

@国立環境研究所の概要説明(広報・国際室)

A地球温暖化研究の概要説明(広報・国際室)

B環境リスク研究棟の紹介(環境リスク研究センター)

C循環・廃棄物研究棟の紹介(循環型社会・廃棄物研究センター)

Dバイオ・エコエンジニアリング研究施設(循環型社会・廃棄物研究センター)

 国立環境研究所の概要と地球温暖化研究について、広報・国際室の広兼研究企画主幹に紹介いただきました。沖縄や根室におけるCO2濃度観測や、IPCCへの協力のお話に対して、会場からは京都議定書のCO2削減目標に関する有効性など、鋭い質問が寄せられました。環境リスク研究棟では、生態系に影響を及ぼす化学物質のリスク等のお話しを、鑪迫主任研究員に伺いました。メダカを用いた曝露試験や、環境ホルモン(内分泌攪乱物質)の調査などの他、ユスリカの幼虫を用いた土壌安全性評価といった興味深い取り組みも紹介いただきました。循環・廃棄物研究棟では、循環型社会を実現するための研究の一端を、遠藤主任研究員からお話しいただきました。700度以上の高温で廃棄物を焼却する過程が可視化されている装置や、最終処分場を想定した大型ライシメーター試験装置(写真参照)など、最新鋭の実験設備を間近で見学させていただいた一方で、タイやマレーシアといったアジアの埋立地におけるフィールド調査の苦労談も伺いました。霞ヶ浦のバイオ・エコエンジニアリング研究施設では、美浦村の生活排水を利用した浄化技術の研究等を紹介いただきました。空心菜等の植物を水耕栽培することによって窒素・リンなどの富栄養化物質を浄化する方法や、土壌内微生物による生活排水浄化方法(写真参照)など、自然の摂理を利用した興味深い内容を伺いました。最後に、見学会を快く受け入れていただき、運営にご尽力くださいました遠藤主任研究員をはじめ、国立環境研究所の皆さまに厚く御礼申し上げます。

   

環境リスク研究棟

   

【埋立処分シュミレーター】      

           循環・廃棄物研究棟

  

【植物を用いた水質浄化】             【傾斜土槽を用いた汚水の浄化】

           バイオ・エコエンジニアリング研究施設