第5回地盤工学会栃木グループ講習会開催報告

 

                              地盤工学会関東支部 評議員 足利工業大学西村友良

 

日 時  平成20年10月14日(火)13:00〜17:00

会 場   那須野が原ハーモ二―ホール(小ホール)

講習会参加者数 254人

プログラム

@河川堤防の性能設計

(独)土木研究所 土質・振動チーム 研究員 齋藤由紀子

                       研究員 谷本俊輔

A那須野ヶ原の地下水の動向

        宇都宮大学農学部 教授 後藤 章 

B那須野ヶ原の開拓と那須疏水

       北那須郷土史研究会 会長 磯 忍 

C余笹川激甚災害から10年

NPO余笹川連携ネットワーク 会長 稲葉 茂 

D木佐美南方トンネル掘削工事報告

     栃木県大田原土木事務所 主査 天谷明弘 

講習会内容

堤防の浸透による被害、地震による被害、堤防の量的整備から質的整備への移行、概略・詳細点検、耐震性能照査、耐震対策について説明があった。

A那須野ヶ原の地下水の動向

全国でも有数な栃木県大田原の湧水が枯渇傾向にあることが水循環構造のモデル化を用いて紹介された。那須野ヶ原での地下水利用が非常に高いことがその原因であった。

B那須野ヶ原の開拓と那須疏水

那須野ヶ原の地形を背景に,江戸時代からの用水路開削と那須疎水の経緯が説明された。また那須野ヶ原の農場開拓とあわせて土木事業としての那須疎水の規模など古い資料を使って説明された。

C余笹川激甚災害から10年

平成10年8月の余笹川の氾濫の様子を撮影した写真を使って説明され、当時の洪水の恐ろしさが十分に伝わった。またその後のNPO余笹川連携ネットワークの設立の歩みや事業内容、河川環境調査などの活動内容が具体的に説明された。また、NPO余笹川連携ネットワークは、平成20年度下野ふるさと大賞を受賞されるなど住民参加の河川愛護活動の成果が現われていることが理解できた。

D木佐美南方トンネル掘削工事報告

軟弱層が存在する地山のトンネル掘削における断面変状防止対策が施工手順とともに説明された。具体的には脚部沈下対策工、上部地山補強工、土塊移動抑止工が木佐美南方トンネル施工に選定された。

  講習会の様子