特別講演会 「地盤構造物の地震リスクに基づく設計事例」
会員サービスグループ 幹事
北爪貴史(東電設計梶j
平成20年9月5日17時〜19時において、地盤工学会地下大会議室にて標記の講演会が開催されました。ご講演は、東京大学の東畑郁生教授と武蔵工業大学の吉田郁政教授によって行われました。太田秀樹関東支部支部長をはじめとした60名の方のご参加をいただきました。会場はほぼ満席で、多くの方がこの分野に関するご興味をお持ちであると感じられました。
東畑先生によるご講演は、中国四川省大地震における斜面崩壊調査報告を皮切りに始まり、聴講者の方々の興味を惹きつけていました。架空の高速道路盛土の震災を取り上げた事例検討では、盛土被災によってどのような直接的・間接的損失が考えられるのか、そして、特に間接損失の考え方やそれらを経済価値換算する難しさなどについて強調されておられました。
吉田先生によるご講演では、地震リスクを算出する上で重要となる地震危険度曲線や損傷度曲線の意味、それらの具体的な算定方法などについて非常に分かり易くご説明頂きました。地盤構造物のライフサイクルコストに寄与する要因としては地震リスクの影響度が非常に大きいこと、中央値による損傷度解析(構造物の限界状態を正確に評価すること)がやはり重要であること、などのお話が印象的でした。
写真 吉田先生によるご講演の様子 写真 東畑先生によるご講演の様子
最後になりましたが、大変お忙しい中、ご講演を実施していただきました東畑先生、吉田先生に深く感謝致します。