「現場見学会 東京外かく環状道路千葉区間」
千葉県グループ
評議員畑中宗憲
平成20年7月29日(火)午後1時半―4時半に、国土交通省関東地方整備局首都国道事務所および東日本高速道路(株)関東支社千葉工事事務所の協力を得て東京外かく環状道路の内、千葉県区間の「国分(こくぶ)試験工事」と「小塚山(こづかやま)トンネル工事」二つの現場の見学および外環千葉県区間の全容を模型等で紹介する「外環インフォメーションセンター矢(や)切(ぎり)」を訪れました。なお、外環千葉県区間は松戸市小山から市川市高谷に至る12.1kmの区間で計画されている。
現場においては、工事を担当された技術者から工事の特徴、用いた工法の詳細について説明がありました。国分試験工事区間は掘割スリット構造の半地下構造物を約150mに渡って築造するものです。このうち、60m区間はニューマチックケーソン工法、残りの90m区間は開削工法により躯体を築造するものです。国分試験工事区間では最も重要な技術テーマは地下水低下工法と通水対策工法との説明があった。盤ぶくれ防止と周辺地盤の変状防止からデープウェルとリチャージによる工法を情報化施工で対応した。また、完成後地下水流を保全するため、浅層部では通水管、深層部では地中連壁の一部を透水性の良い材料に置き換えて対処したことが紹介された。「小塚山トンネル工事」区間では、公園の緑と景観を保存するため、トンネル工事とした。トンネル工事は延長130m、幅員55mで、フロントデッキ+ESP工法という施工法により、公園の自然を極力改変しないように施工している。また、周辺の閑静な住宅街での工事騒音対策に配慮して、トンネル両端の開削部の立坑を防音ハウスで覆い、その中で工事を行っている。いずれの現場も建設工事における環境への対策の重要性を感じました。
本見学会は学会のHPに案内をアップロードして、その日の内には応募者が予定最大人数(40名)に達し、慌てて締め切りおよびご希望に添えなかった応募者にお詫びをHP上で申し上げました。その他、千葉県関係の技術者の見学希望だけでも約20名にもおよび、結局、千葉県関係の皆さんには別途バスを用意して対処するほど、多くの参加者を得たものである。そのため、千葉県グループは評議員および幹事が総動員したのはもちろんのこと、評議員や幹事の中には、自分の会社の仲間を動員して、参加者への受付・整理、さらには車も提供して見学の誘導にも活躍して下さいまして、大変ありがとうございました。見学会参加者は千葉県の技術者を除くと、おおむね建設会社、地盤調査会社、コンサル会社の技術者であった。見学者の内、地盤工学会会員の占める割合は千葉県職員で37%、地盤工学会申し込み参加者で63%であった。今後このような機会を通じて、地盤工学会の役割を広報し、より多くの地盤関係技術者に地盤工学会に入会してもらえるように努力したいと考えております。なお、本件見学会は中村政邦評議員のご尽力で、日刊建設新聞の千葉版にCPDポイントが2.5であることも含めて、写真付きで詳細に紹介された。最後になりましたが、ご多忙の中、この見学会のために2度にわたる打ち合わせ、マイクロバスの提供、見学資料とヘルメットのご用意および見学の誘導等大変なご尽力をいただきました国土交通省関東地方整備局首都国道事務所および東日本高速道路(株)関東支社千葉工事事務所の関係者に心より厚く御礼を申し上げますとともに、工事が順調に完成することをご祈念申し上げます。
国分掘割試験施工区間 全景
開削工法区間
スリット構造半地下躯体
小塚山トンネル区間見学会状況
上部にパイプルーフが見える
可動式屋根のある立坑内で説明を受ける