【地震斜面災害のリスク評価・対策法の高度化及び
豪雨による二次斜面災害への対応と備えの研究委員会】
■趣旨:
我が国では10年に一度は大地震による斜面災害が発生し、多くの人命が失われている。人命に関わる地震地盤災害としては液状化災害より遥かに深刻であるが、地盤工学的取り組みとしては液状化に比べ見劣りすることは否めない。実際、地盤工学会関東支部の過去20年ほどの活動で地震時斜面災害に関するものは一つもないことは指摘しなければならない。
地震時斜面崩壊の統一的データベースがなく、地震時斜面すべりの実務的評価も従来の静的震度法の域から発展できていない。Newmark法を使う場合でも地震動や摩擦係数の決め方などに多くの問題点も感じているにも拘らず、設計現場での判断により使用条件や適用性が大きく異なっているのが現状である。また個別要素法などの解析技術により実際の斜面崩壊現象に近づく研究もされているが、設計適用できるレベルには届いていないのが現状である。さらに、多くの斜面補強対策が考えられ広く適用されているが、それらの効果・経済性などが適切に評価されているかについて多くの課題が残されている。
一方、2024年能登半島地震で顕在化した地震後の豪雨による二次災害、またその逆の豪雨後に地震が発生するケースについても、相乗被災メカニズムと対策については以前から指摘はされているものの未だ多くの課題が残されている。
本委員会では、自然斜面と切土斜面、および道路盛土等を中心に、地盤工学に加え、地形・地質・砂防・治山・農学・地下水・生態・景観などの他分野と連携した学際的なアプローチを通じて、これらの課題解決に取り組む。