グループ活動状況

 
  「 群杭挙動の実証的研究委員会  

  ■趣旨:
   

 杭基礎は構造物を支持する基礎形式の中ではもっとも広く利用されているものであり、その歴史はローマ時代にまでさかのぼる。20世紀に入って地盤の工学にも近代化の潮流が激しく起こり、それと軌を一にして、在来の木杭に代わって鋼管や鉄筋コンクリートの杭が使用されるようになり、その設置方法も振動や騒音の激しい打撃貫入に加えて埋め込みや現場施工の技術も確立された。されに、現場試験の技術が発達し、杭基礎の挙動を実測することも難事ではなくなった。

 このような技術の発展の結果、荷重載荷時の杭の挙動も予測が可能になり、性能設計のような高度な作業がルーチン的に行なわれるようになってきた。

以上のような高い水準は、単杭に関しては事実である。これに比して現実の大半を占める群杭では、杭中間の地盤と杭本体との相互作用、杭同士の相互作用、特に横荷重下でのこれら相互作用、地盤流動の杭間すりぬけなど、実務上は簡単な設計定数で処理はされているものの、実際の現象を深く追求した事例がほとんど無い。

 また、杭という基礎形式は建築と土木両方の分野で広く利用されている基礎構造でありながら、教育体系が別々であることに影響されてか、両分野の技術者同士の交流、情報交換が十分とは言い切れない。そのような状況は、近年深まっているようにも感じられる。地盤と構造物の相互作用、という観点からすれば杭に関する諸現象は全く同根である。したがって両分野で情報交換を緊密に行い、お互い良いところを吸収してそれぞれの発展を期することは有益であり、それこそが地盤工学会設立本来の目的にも適うことである。

 そこで本研究委員会では土木と建築、さらに農村工学、応用地質学など多くの分野で杭基礎の実態に興味を持つ技術者を集め、特に学問的知見と真実の探求が不十分と思われる群杭を研究対象とし、実験や実測に基づく実証的な研究作業を展開する。模型実験は東京大学の工学系研究科社会基盤学専攻の実験施設において行い、必要な装置は適宜製作する。それに要する費用は大学側で支弁するので、地盤工学会や委員会参加者に負担が生じることは無い。

研究の成果は群杭基礎の設計への具体的な提言として反映され、地盤工学会の社会的存在意義を示す具体的な証左となる。

  ■活動期間
  2009年6月〜2012年3月(予定)
  活動概要

  @鉛直および横荷重の作用する群杭基礎の挙動の実験を行い、杭体と周辺地盤の相互作用を詳細に調査する。
A 地震や波浪のような繰り返し荷重、液状化地盤の流動荷重の作用する群杭基礎の挙動を実験的に研究する。

  それにあたっては、杭体と周辺地盤の相互作用を詳細に調査する
B以上のような研究活動に必要な実験装置をデザインし、製作する。
C実験活動は東京大学の研究と教育の活動として行なうが、それと本委員会とは密接な関係を保ち、助言と

  データのフィードバックは迅速に行なわれる。
D必要かつ可能な範囲で、数値解析を実施して、実験結果との比較検討を行なう。

  E 研究活動に必要な費用は、東京大学が支弁する。地盤工学会や委員会参加者には、経済的負担は発生しない。

  Fその他

 

活動状況

 
 平成21年度
 平成22年度
会議名
開催日
議事録
会議名
開催日
議事録
第1回委員会
6月10日(水)
第7回委員会
6月14日(月)
第2回委員会
7月9日(木)
第8回委員会
11月30日(火)
第3回委員会
9月15日(火)
第9回委員会
1月27日(木)
第4回委員会
11月17日(火)
第10回委員会
4月14日(木)
第5回委員会
1月18日(月)
     
第6回委員会
4月13日(火)
     
 平成23年度
 
第11回委員会
6月15日(水)
     
第12回委員会
9月16日(金)
     
第13回委員会
11月29日(火)
     
第14回委員会
2月22日(水)
     
  ■グループ役員構成
 
委員長
東畑 郁生
東京大学
幹事
後藤 茂
東京大学
幹事
寺倉 英樹
構造設計
委員
小林 恒一
(独)原子力安全基盤機構
委員
山田 淳夫
(株)間組
委員
伊藤 暁
清水建設(株)
委員
斉藤 淳
(株)綜合技術コンサルタント
委員
川邊 一洋
東京地方裁判所
委員
中澤 斉
OYOインターナショナル(株)
委員
松島 健一
(独)農業・食品産業技術総合研究機構
委員
佐 藤 正 義
(独)防災科学技術研究所 
委員
金田 一広
(株)竹中工務店
委員
高橋 直樹
三井住友建設(株)
委員
吉川 那穂
ジャパンパイル(株)
委員
平出 務
(独)建築研究所
委員
千明 一生
JIPテクノサイエンス(株)
委員
木村 育正
(株)技研製作所
委員
沼田 淳紀
飛島建設(株)
委員
関 崇夫
(株)大林組技術研究所
委員
角田 晋相
(株)錢高組 
委員
松木 聡
鹿島建設(株) 
委員
吉富 宏紀
(株)不動テトラ 
委員
田地 陽一
(株)清水建設株式会社技術研究所
委員
松本 樹典
金沢大学 
委員
小林 俊一
金沢大学 
委員
本間 裕介
ジャパンパイル(株)
委員
石原 行博
(株)技研製作所
委員
瀧田 彩乃
新日本製鉄(株)
 

※H23新任