グループ活動状況

 
  「 関東地域の火山由来地盤の災害事例研究と地域特性に関する研究委員会  

  ■趣旨:
   

 以前より関東地域で検討の必要性が指摘されてきた課題の一つに“火山由来地盤と災害との関わり”の問題がある。関東平野の半分以上を占める台地の表面には火山灰由来の赤土すなわち関東ローム層が分布するが,それは富士山,八ヶ岳,浅間山,赤城山,那須岳といった複数の火山に由来しており,一概にローム層と言ってもその種類は様々である。例えば,富士山から遠く離れた東京以東に堆積するローム層は細粒分が多く粘土質傾向が強いなど,堆積や風化作用の受け方により,地域ごとにやや異なった力学的性質を有することが知られている。

 また,ローム層をなす土は粒径が比較的細かい割に透水性が良く,粒子間の結合が強いため一般に支持力が良好な地盤を形成することが多い。しかし,降雨などで一度乱されると極端に軟弱化する性質を有しているため,盛土材料として取り扱う場合などに問題となることがあり,以前よりその力学特性については多くの研究が行われてきた。

 関東地域で広く災害防止に携わる官民の技術者,火山由来地盤について造詣の深い専門家などを中心とした標記の研究委員会を設立し,関東地域で身近に広く存在する関東ローム層を中心とした火山由来地盤の性質を理解し,それに関連する災害事例を整理することは,同地盤で特徴的に発生する種々の災害現象を防ぐために極めて有効である。また,関東地方の種々の火山灰由来土の地域特性を整理することは,地域土の性質を反映したより合理的な技術開発に大いに貢献すると考えられる。これらはいずれも地域社会へ技術啓蒙を行うことを旨とする学会支部の精神に適うものである。

以上の視点より,同委員会の設立について,学会関東支部へ提案する次第である。

   
  ■活動期間
  2009年4月〜2012年3月(予定)
  活動概要
  @関東地域の火山由来地盤(主に関東ローム)にかかわる過去の災害事例を整理し,その類型化,発生機構の把握などを通じて,同地盤に特有の災害事象を未然に防ぐための方策を提案する。
A関東地域の火山由来地盤(主に関東ローム)の地域毎の力学的特徴の相違について,その成因などを踏まえて整理し,地域土の性質を反映したより合理的な技術開発に対する有用な知見を提示する。
Bその他
 

活動状況

 
 平成21年度
 平成22年度
会議名
開催日
議事録
会議名
開催日
議事録
第1回委員会
7月27日(月)
第5回委員会
5月10日(月)
第2回委員会
10月6日(火)
第6回委員会
8月3日(火)
第3回委員会・現場見学会
12月11日(金)
WG
11月16日(火)
 
第4回委員会
3月4日(木)
第7回委員会
12月21日(火)
WG
1月24日(月)
WG
2月22日(火)
 平成23年度
 平成24年度
現場見学会
7月1日(金)〜2日(土)
WG
5月8日(火)
 
作業部会
9月22日(木)
WG
6月5日(火)
 
第8回委員会
1月26日(木)
第9回委員会
7月6日(金)
 
シンポジウム
8月21日(火)
 
   
 

平成24年8月に「活動報告書」を印刷しました。

オンデマンド冊子版のため、ご注文から納品まで1週間ほどかかりますが、ご了承ください。

「活動報告書」は会員限定3,000円(印刷費,税込み,送料別)で頒布致します。

 (申込み案内へ)
【発表論文集 目次】
T委員会報告
1.火山由来地盤に関する地盤工学における過去の委員会活動
2. 委員会活動記録
3. 地域特性
4. 火山灰土の工学的特徴ならびに火山灰土を対象とした調査・設計・施工
5. 火山地域における災害特性
6.東日本大震災での被害例
7.土砂災害に対する提言

U一般公募論文 17編

  ■グループ役員構成
 
委員長
若井 明彦
群馬大学
幹事兼委員
村上 武志
鹿島建設(株)
委員
井上 公夫
(財)砂防フロンティア整備推進機構
委員
井口 隆
(独)防災科学技術研究所
委員
宇高 薫
応用地質(株)
委員
大里 重人
(株)土質リサーチ
委員
喜内 敏夫
芙蓉地質(株)
委員
後藤 宏二
国土交通省 国土技術政策総合研究所
委員
西 真佐人
国土交通省 利根川水系砂防事務所
委員
坂尾 博秋
(株)近代設計
委員
高橋 淳夫
東電設計(株)
委員
中澤 行文
都市開発設計(株)
委員
西村 友良
足利工業大学
委員
樋口 邦弘
(株)黒岩測量設計事務所
委員
日下 寛彦
(株)高速道路総合技術研究所
委員
光永 健男
国土交通省 関東地方整備局 日光砂防事務所
委員
千葉 達朗
アジア航測(株)
委員
山越 隆雄
(独)土木研究所