リサイクルできない廃石膏ボードは、2006年度から管理型処分場に埋立処分せねばならなくなっていますが、処分費用の高騰による不法投棄の恐れが高まっているとも言われており、社会的な対策が急がれています。廃石膏ボードは現在年間110万トン排出されていますが、石膏ボードの生産量は年間数100万トンに達しており、今後廃石膏ボードの排出量が顕著に増加すると予測されています。このため再資源化のための用途とその技術開発が急務になっています。そのひとつとして、廃石膏ボードから資源回収される再生石膏の地盤改良材としての用途が注目されており、地盤改良土としての十分な強度発現や改良土の周辺環境への影響について物理的、化学的に検討して、実用的で安全な改良技術を確立することが必要になっています。廃石膏ボードを地盤改良材として大量に再資源化する道が開かれれば、循環型社会構築の一助となり、環境面と産業面において大きな社会的貢献が期待されます。以上のような背景のもと、本研究委員会では、再生石膏の地盤改良材としての安全性と用途開拓を中心に調査・研究を行います。加えて、他の実用的で経済的な再利用方法についても検討を行います。 |