地盤工学会関東支部 会員サービスグループ
学生幹事 成田恵祐(東京都市大学)
長谷川圭介(日本大学
平成26年11月29日(土)に日本大学理工学部船橋キャンパスにおいて地盤工学会関東支部設立10周年記念行事「第9回ソイルストラクチャーコンテスト」を開催しました。昨年度に引き続き運営の立場で参加した会員サービスグループの学生幹事が報告します。
コンテスト題材~液状化対策~
今大会では,新たなテーマでコンテストを開催したいという要望から,従来のソイルブリッジ(土を締め固めて作る橋)ではなく液状化対策工法を題材として液状化対策効果および対策設計・施工の精度を競うといったコンセプトでコンテストが行われました。
コンテストは,用意された試料,材料,道具を使用して液状化しにくい地盤を目指して模型の作製を行い,プレゼンテーション,沈下量,アイデアの3点で競いました。
コンテストの様子
コンテストは,土槽に指定された量の珪砂を入れて飽和状態にして競いました。補強材には十数種類(ゴムスリーブ,スポンジ,竹串,不織布ほか)の中から3個まで選定して自由に使用していいというルールでした。限られた時間の中で多くの補強材から使用するものを選定するとなりましたが,各チームよく相談して使用する材料を決定していました。
作製段階においては,例年と全く異なった作業のため,常連チームの中でも戸惑いながらなかなか作業が進まないチームも伺えましたが,時間が経過するにつれて作業スピードも速くなり,最終的には全チーム無事作製することができました。
本コンテストでは,例年と異なり,補強材がチーム毎に異なるため,三者三様でした。砂を格子状に囲み拘束するといった実際に行われている工法を採用しているチームもあれば,各補強材の形状をおでんに見立てて補強するといった独創的なアイデアを駆使して挑むチームなど,チームによって個性が出ていました。
本コンテストは,経験と知識の点で社会人チームが優勢であると想定されましたが,学生チームも負けまいと日頃の授業や研究で学んだ知識を最大限に生かして挑んでいたように思います。昨年から運営として大会に携わっていますが,ソイルブリッジとは違う面白さを感じました。また,選手として参加したいと思えるような大会だったと思います。
使用した道具 加振前 加振後
コンテストの結果
本コンテストは,液状化対策効果,プレゼンテーションを評価対象とした最優秀液状化対策工法賞,全参加者の投票による液状化対策工法アイデア賞,学生のみ対象とした社会人が選ぶ液状化対策工法アイデア賞の三賞の表彰を設けました。加振は振動台を用いた段階載荷とし,1段階毎に10秒間の加振を行い,沈下量の平均値が20mmを越えた場合または,構造物の傾きが10%を越えた場合を液状化とみなし,審査を行いました。多くのチームが液状化した中で,大きな加振に耐えつつも全く液状化する様子がなく加振を終了した東京電機大学チームが総合優勝しました。2位との差を大きく離した文句なしの一位でした。東京電機大学チームのみなさんおめでとうございました!
最後に
コンテストに参加してくださった海の男JV,応用地質・不動テトラJV,関東学院大学,佐藤工業,三信建設工業,東京電機大学,東京都市大学,日本大学,横浜国立大学の皆様にこの場をお借りして感謝の意を表します。
本コンテストは多くの大学と社会人の方に参加していただいたため,大変盛り上がりました。来年度も液状化をテーマとしたコンテストを開催する予定となっておりますので,多くの方々の参加をお待ちしております。
コンテストの様子 新聞掲載写真