「さいたま市北部の地形・地質・歴史」野外巡検 開催報告

地盤工学会関東支部 埼玉県グループ
リーダー幹事 川本 健 (埼玉大学)

 関東支部埼玉県グループでは、埼玉県の地形・地質・歴史を工学的な観点や防災面も踏まえながら見て歩く企画として、平成29年12月2日(土)にさいたま市北部での野外巡検を開催しました。
 快晴で爽やかな空の下、講師の先生(上野将司:応用地質株式会社技術本部社友)と引率の埼玉県グループメンバーを含めた24名が、約15kmのコースを巡りました。一行は、JR与野本町駅を出発し、近くを流れる鴻沼川にて、谷地の浸水と河川改修工事に纏わる地盤沈下について説明を受けました。続いて、大宮の氷川神社へと向かい、溜池の景観を楽しみながら縄文海進について学びました。そして近くの盆栽町へと歩き、無料で開放されている休憩所で昼食を取りました。午後からは、見沼代用水西縁に沿って歩きました。この用水は江戸時代に利根川から水を引くために造られた灌漑用水で、一行はさいたま市市民の森から用水の東西分水地点に向かって北上しながら歩くことになります。道中、用水の歴史や通船の仕組みの説明を受けながら、見沼用水と芝川の交差部に立ち寄りました。この交差部では芝川の上を用水が横断する形で流れています。そして、綾瀬川を用水が伏せ越し、用水の東西分水となる交差部に到着しました。ここで東西分水の仕組みや改築の歴史について説明をいただいた後、JR東大宮駅にて巡検は終了、一行は解散しました。
 参加いただいた方々からは道中沢山のご質問をいただき、盛況のうちに巡検を終えることが出来ました。埼玉県グループの野外巡検は、平成24年・25年に開催して以来3回目となりますが、東西に多様な地形を有し、色々な地盤・地質を有する埼玉県のおもしろさを伝えるために、今後もこのような企画を続けていきたいと思っています。次回は、映画「のぼうの城」の舞台である埼玉県行田市にて石田堤や忍城などを訪ね歩くのはどうかなどとのアイデアもいただいております。
 末筆になりますが、この行事の企画から当日の案内までご協力をいただきました上野将司様に厚くお礼を申し上げます。

写真-1 快晴の空の下、見沼代用水西縁を歩く
写真-2 見沼用水の東西分水地点にて参加メンバーで集合写真