「八ッ場ダム現場見学会」の開催報告

関東支部 群馬県グループ
久保田 佳幸(佐田建設(株))

 本現場見学会は、土木学会関東支部群馬会と群馬大学地盤工学研究室の共催、群馬県建設技術センターの後援により、平成28年7月4日(月)に開催されました。この見学会には、県内だけでなく東京方面からも応募があり、定員40名が案内を出してから4日間で一杯になりました。
 群馬県の吾妻川中流に建設される八ツ場ダムは、利根川水系の上流ダム群とともに下流部洪水被害を軽減し、水資源の有効利用、首都圏都市用水の開発を行うものであり、治水および利水上きわめて重要な多目的ダムです。現在、八ツ場ダム建設現場は、本体掘削、打設用仮設備、原石山・骨材製造設備等の各種の工事が行われ、本体コンクリート打設の準備が着々と進められています。
 今回見ることができるダム基礎岩盤は、その上にダムという巨大な構造物を乗せ、貯水池からの荷重やダム自重を伝え、大きな外力に耐える大変重要なものです。
現場見学会では、最初に八ツ場ダム建設事務所の由井副所長と高橋専門官より、八ツ場ダムの事業説明を受け、八ツ場ダムの概要・役割・重要性等が理解できました。
 ダム本体の掘削現場では、多くの掘削重機が稼働している状況を見ながら、基礎岩盤を構成する岩種や地質構造の説明を受け、ダムの基礎岩盤を間近に見ることができました。また、なかなか見ることのできない調査横坑まで見学させていただき、基礎岩盤の内部まで見ることもできました。
 ダム建設に重要な役割を果たす基礎岩盤、ダムが完成すると二度と見ることはできません。これを見学できただけでも、大変貴重な経験をさせていただきました。
 原石山・骨材製造設備では、原石山で稼働する大型重機、原石から骨材を製造する大規模なプラント設備、プラントからダムコンクリート用の骨材を約10km運搬するベルトコンベア設備を見学させていただき、そのスケールの大きさに驚かされました。
 今回の現場見学会は、国土交通省関東地方整備局八ツ場ダム建設事務所、八ツ場ダム本体建設工事清水・鉄建・IHI共同企業体の皆様よりご協力をいただき、無事に終了することができました。
 地盤工学会関東支部群馬県グループは、技術向上と地域貢献ができる講習会や現場見学会を、積極的に開催したいと思います。今後も多くの方々のご支援とご協力を、よろしくお願い致します。

写真1:堤体左岸掘削状況 写真2:堤体河床部掘削状況