「PIVやタクタイルセンサ等の最新計測技術を活用した群杭の大型土槽
実験と数値解析に関する講演会」開催報告

関東支部 群杭挙動の実証的な分析および検討委員会
幹事 後藤 茂

 平成27年7月30日(木)15時~17時30分に地盤工学会地下大会議室において「PIVやタクタイルセンサ等の最新計測技術を活用した群杭の大型土槽実験と数値解析に関する講演会」が開催された。この講演会は地盤工学会関東支部主催であり,「群杭挙動の実証的な分析および検討委員会(群杭委員会)」の終了報告会を兼ねている。当日は企業・学協会・大学関係者など42名の方が参加された。
 まず,群杭委員会の委員長であり,地盤工学会会長である東畑郁生氏から講演会の趣旨説明があり,続いて,ゲスト講師の菊池喜昭氏(東京理科大学教授)が「開端杭の先端抵抗発現メカニズム」の講演をされた。内容は大型杭・長尺杭増加に関連した開端杭の支持力の問題であり,現状の基準を交えて模型実験結果等を講演された。群杭委員会からは後藤茂幹事(早稲田大学招聘研究員)と金田一広委員(竹中工務店)の講演があった。後藤幹事は東京大学で2010年~2015年の6年間に行なった大型土槽による群杭鉛直載荷実験結果について講演した。講演にはタクタイルセンサによる地中圧力計測,PIVによる地盤変位解析,AEによる土粒子破砕計測等の先端技術の活用が含まれていた。金田委員は群杭委員会の数値解析WGが行なった数値解析による大型土槽実験結果の検証について講演した。用いた解析手法は荷重伝達法および3種のFEM((PLAXIS 3D, MIDAS GTSNX, Mudian)であり,群杭の荷重~沈下関係およびタクタイルセンサで計測された地中圧力分布などについて実験結果と数値解析結果の対比が行なわれた。
 また,休憩時間にはタクタイルセンサのデモ(説明:青山委員,基礎地盤コンサルタンツ)も行なわれ,熱心な参加があった。

 表1 プログラム
 15:00‒15:15
東畑郁生(地盤工学会会長) 開会の挨拶と講習会の趣旨説明
 15:15‒15:45
菊池喜昭(東京理科大学教授) 開端杭の先端抵抗発現メカニズム
 15:45‒17:00
(途中休憩15分)
後藤茂(早稲田大学招聘研究員) 先端計測技術を活用した大型土槽による模型群杭載荷実験
(休憩時間:タクタイルセンサのデモ)
 17:00‒17:30
金田一宏(竹中工務店) 群杭実験の数値解析検討
 17:30‒17:35
東畑郁生(地盤工学会会長) 閉会の挨拶
写真-1 会場風景(東畑委員長挨拶) 写真-2 タクタイルセンサのデモ風景