【歴史遺産の地盤工学研究に関する研究委員会】
■趣旨:
歴史的建造物や史跡は,時空を超えた感動とロマンを人心に与える。建造物や史跡の構築に
秘められた人間模様の多様さや英知・密度の濃さからなる芸術的な態様が,そして地盤と人の
生業の歴史が,それらの構造物を通して我々に語らしむに違いない。事実,富岡製糸場や三重
津海軍所は,人類共通の普遍的財産として,世界遺産の構成資産に登録されている。また,地
盤工学会関東支部に設置された「江戸期以降の土木史跡の地盤工学的分析・評価に関する研
究委員会」や「歴史遺産に関する今後の地盤工学研究の方向性検討委員会」の研究成果を発
表する講演会を2度開催し,2回で合計563名を越える一般市民が参加され,活発な質問の中で
史跡研究や修復・保存の意識が一般市民との間でも共有されてきている。
■活動期間
平成28年7月~平成31年年3月(予定)
■活動概要
地盤に関わる歴史遺産の委員会活動の課題としては,地盤工学の専門のみならず,幅広い
学際的な分野の専門家の動員が委員会構成として不可欠である。委員会活動の方向性としては,
以下の課題も挙げられる。
ⅰ) 地盤工学遺産情報の集積と広報,
ⅱ) 地盤工学の技術史の調査・研究,
ⅲ) 土木史跡のダメージアセスメントと保存・修復の研究,
ⅳ) 史跡保存に繋げる体勢への寄与,
ⅴ) 海外の地盤工学関係学会との歴史遺産研究分野での連携,である。
またこれらに関係して,参加を希望している委員の一部から,下記のテーマが提案されている。
対象とする遺産は関東地域のものが中心である.下記を対象としながら,i~v) の課題に対処
していきたい。また,国際地盤工学会のAsian Technical Commission 19や,土木学会の関連
委員会など,国内外の関係機関とも情報交換していきたい。
1) 近代遺産の港湾構造物を対象にした研究: 東京湾海堡,横須賀ドック,台場
2) 近代遺産の陸上および地下構造物を対象にした研究: 調布飛行場,富岡製糸場
3) 古墳や城郭や堤防など地盤構造物を対象にした研究: 玉川上水など
地盤工学の学術的な成果が,一般市民の興味の対象になる事実も真摯に受け止め,歴史
遺産に関する地盤工学研究(学会活動)や市民を巻き込んだ広報活動を地盤工学会の一つ
の柱にすることを,公益社団法人として真剣に検討すべき時期にあろう。
このような広報活動にも関わって行きたい。
■H31年度事業計画
【上期予定】
・委員会の開催
・シンポジウムの開催、報告書の作成
■活動状況
会議名┃開催日┃議事次第
令和元年度
歴史遺産シンポジウム(*台風のため中止)┃10月12日(土)【講演内容と発表論文】
平成30年度
東の軍艦島 第二海堡の秘密に迫る海上見学企画クルーズと講演会┃7月16日(月)
歴史遺産委員会┃9月26日(水)┃議事録
「富津市が誇る東京湾要塞を見つめる歴史と未来」講演会┃10月7日(日)
「人と水害 過去・現在・未来の講演会」┃11月17日(土) 【公開資料+行事報告】
平成29年度
田谷の洞窟見学会┃5月10日(水)┃視察記録
歴史的石造構造物部会┃6月30日(金)┃議事録 ┃第一海堡研究視察実施報告書
WG ┃7月10日(月)┃議事録┃歴史遺産巡検Ⅰ┃9月2日(土)┃
歴史遺産水害部会┃9月8日(金)┃議事録┃歴史遺産巡検Ⅱ┃9月30日(土)
大谷石見学会報告書┃11月16日(木)┃歴史遺産水害部会┃12月5日(火)┃議事録
歴史遺産水害部会┃3月1日(木)┃議事録
委員会┃3月14日(水)┃議事録 ┃巡検「水と共生する志木宗岡地区」┃3月17日(土)
平成28年度
第1回委員会┃7月29日(金)┃議事録 ┃
歴史的石造構造物部会┃11月18日(金)┃議事録 ┃視察記録1
歴史的石造構造物部会┃11月24日(木)┃視察記録2
WG ┃2月6日(月)┃議事録 ┃WG ┃4月4日(火) ┃議事録
第2回委員会┃4月10日(月)┃議事録